オバマ大統領がNSA改革案 主要活動変わらずとの批判も

オバマ米大統領。NSAの改革案を明らかにした

2014.01.18 Sat posted at 17:20 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は17日、米司法省で演説し、国家安全保障局(NSA)による通話・通信記録などの監視活動に関する改革案を発表した。

国家安全保障の脅威とならない一般市民に対する盗聴などは実施しないと明言した。また、差し迫った安全保障上の対策が迫られない限り、米国の同盟国や親密な友好国の指導者の交信記録なども監視しないと明言した。

オバマ政権高官は改革案に関する事前説明で、監視対象から外れる同盟国や友好国の指導者は数十人に限られると述べていた。NSAの極秘の情報収集活動を暴露した米中央情報局(CIA)のスノーデン元職員は、ドイツやブラジル、他の同盟国指導者の通話記録なども盗聴されていたと明かしていた。

改革案では、NSAが収集した通話、通信記録の利用規則は強化され、記録の保管は今後、NSAではなく政府外の機関に委ねられる可能性があるとした。ただ、通話・通信記録の保管に変化はないとしている。

米政府高官によると、改革案が実現すればNSA保管の通話・通信記録の調査を望む場合、最初に諜報(ちょうほう)監視活動の是非などを決める連邦裁判所の承認を求めることになる。これまではNSAが調査時期の決定権を握っていた。

米ワシントンのNSAビル=同局提供

オバマ氏が示した改革案には即時実行される内容もあるが、運用まで時間を要するものもある。公民権活動家や連邦議会の間では情報収集活動の基幹部分には総じて手がつけられておらず、現状の改善は期待出来ないとの批判も出ている。膨大な個人情報の保管自体がプライバシー侵害に相当するとの反発もある。

一方、クラッパー米国家情報長官は改革案について慎重かつ思慮深い取り組みになっていると評価。ヘーゲル米国防長官も改革案を支持すると表明した。

スノーデン元職員が暴露したNSAによる個人情報収集活動はプライバシー侵害と指弾され、指導者が盗聴対象となった外国からも非難を浴びていた。

オバマ氏は演説で、国家安全保障の確保は適切な管理下にあった情報収集活動に依存してきたと強調。情報監視活動に伴う侵害行為を示す証拠は見当たらなかったが、プライバシー保護に関する正当な懸念が提起されている現状を踏まえ、改革が必要になったと説いた。

オバマ大統領、NSA改革案を発表

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