(CNN) 米海兵隊は16日までに、米芸能情報サイトが最近掲載した、海兵隊員がイラク西部ファルージャで2004年に行ったとする武装勢力の構成員とみられる遺体を燃やす写真の真偽を調べていることを明らかにした。
同サイト「TMZ.com」は15日に写真8枚を掲載。全部で41枚を保持しており、いずれも遺体焼却の生々しい場面をとらえていると主張している。
米国防総省はこの報道を受け、海兵隊が写真の内容の事実確認、撮影の状況や可能なら映像に映っている隊員の身元も調べると指摘。調査結果次第で、不法行為の捜査に踏み切るかどうかを決めると述べた。
同省はまた、写真の内容は米軍兵士に求める行動ではなく、イラクやアフガニスタンでの軍事作戦にこれまで従軍した250万人以上の米軍兵士の名誉ある職業軍人としての奉仕活動を体現するものではないと主張した。
15日に掲載された写真の中には海兵隊制服を着た人物がガソリンもしくは可燃性の液体を複数の遺体にかけるような内容もあった。遺体は燃え上がり、その後、黒焦げになっていた。また、海兵隊員が人間の頭がい骨の隣りでカメラにポーズを取るものもあった。
イスラム教は火葬を厳しく禁止している。
同サイトは、遺体は十数体あり、一部にはハエがたかり、犬が口にもしていたと説明。国防総省と中東地域が管轄の米中央軍に先週写真を提出し、写真の存在を承知していたかどうか取材したが、知らなかったとの回答を受けたとしている。
イラク軍事作戦の遂行中、ファルージャは米軍と反政府武装勢力との間の激戦地の1つとなっていた。元海兵隊将校は、同隊がベトナム戦争後に直面した最悪の戦闘だったとも形容している。
海兵隊が軍事作戦で敵戦闘員の遺体の処置で物議を醸した例は過去にもあった。
11年7月にはアフガニスタン・ヘルマンド州でイスラム武装勢力タリバーンの戦闘員の遺体に放尿し、ポーズを取る写真が暴露された。この行為は翌年1月にビデオ映像となってインターネット上に出回って初めて発覚し、アフガン内の反米感情を高める材料にもなっていた。