「バンコク封鎖」のデモ続く 銃撃で負傷者、バス放火も

反政府デモの参加者。「バンコク封鎖」が続いている

2014.01.15 Wed posted at 16:54 JST

バンコク(CNN) タイの首都バンコクで13日から始まった反政府デモは14日夜になっても続き、市内で銃撃や爆発、バスの放火などが相次いだ。

インラック首相の退陣を求めるデモ隊は「バンコク封鎖」と称し、主要交差点の占拠や政府機関ビルへの行進を繰り返している。首相の兄、タクシン元首相の影響力を排除し、議会に代わる「人民評議会」を設置することを目標に掲げる。

治安当局の推計によると、13日夜に17万人に達したデモ参加者は、14日夜の時点で約6万人に減った。一方でデモを主催する反タクシン派組織、人民民主改革評議会(PDRC)は、14日の参加者が100万人を越えたと主張している。

政府はデモ隊や関係団体に、来月2日に予定されている総選挙の延期を含む解決策の協議を提案したが、PDRC側はこれを拒否した。

警官隊とデモ隊は2010年の衝突で多数の死傷者が出たことを踏まえ、それぞれ暴力の回避を約束している。

街角にはボランティアの警備員の姿も

しかし治安当局責任者によると、アピシット前首相の自宅に14日夜、爆発物が投げ込まれた。前首相は野党民主党の党首で、PDRCのメンバーではないと明言する一方、デモに姿を見せている。

市内の主要交差点のひとつでは、デモ参加者2人が何者かに銃で撃たれて負傷した。このうち1人は重傷を負ったが、命に別条はないという。別の交差点ではバス2台が放火された。

また警察によると、市内で情報を収集していた警官4人がデモ隊側の警備員2人に襲われた。警官のうち1人は入院中とされる。

国際人権団体や国連、米政府はタイ当局と反政府デモ隊の双方に対し、人権尊重と暴力の自制を呼び掛けている。

米国務省の報道官は13日、「当局が示してきた自制的な姿勢を高く評価する」と述べたが、不測の事態を懸念する声も強まっている。

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