(CNN) フランスの検察当局は8日、自動車レース、フォーミュラワン(F1)の元年間王者ミハエル・シューマッハさんがスキー中に転倒、重体に陥っている事故に触れ、滑走の速度は原因解明において特に重要な要因ではないとの見方を示した。
仏アルベールビルでの会見で述べた。原因究明の作業については進展はあるが、終了まであと数週間かかると語った。
また、同じく原因解明に当たる警察当局者は、シューマッハさんの滑走速度を時速で推定するのは不可能と指摘。その上で、急峻(きゅうしゅん)でもないスロープで極めて優れたスキーヤーが通常出す速度だったと述べた。
検察当局者は、ほとんど新品状態だったシューマッハさんのスキーに問題点はなかったと説明。転倒が起きた滑走コースの標示などもフランス国内の基準に従い、適切に示されていたとみられると述べた。
シューマッハさんは昨年12月29日、フランス・アルプスのスキー場で転倒。治療上の措置で過去10日間、意識不明の状態にある。この間、手術を2度受けた。主治医によると、容体は安定しているが重体状態にある。
検察当局者によると、シューマッハさんは標示がある2カ所の滑走コースの中間地点でゲレンデ下に隠れていた岩に衝突。この後、1カ所の滑走コースの端から9メートル離れた地点で倒れていた。
事故の原因解明では今後、かぶっていたヘルメットに装着している小型カメラの映像を分析し、滑っていた地点や滑走速度などの特定を進めるとみられる。
シューマッハのスキー転倒事故