(CNN) 北朝鮮を訪問した米プロバスケットボール(NBA)の元選手、デニス・ロッドマンさんが8日、誕生日を迎えた同国の金正恩(キムジョンウン)第1書記のために「ハッピーバースデー」を歌う一幕があった。
この日、平壌の体育館では元NBA選手のチームと北朝鮮のチームの親善試合が行われ、AP通信が配信した写真には、観戦に訪れた金第1書記におじぎをしているような姿のロッドマンさんが写っている。
金第1書記が試合会場に姿を見せると、観衆からは数分間にわたり、その長寿を祈る歓声が上がった。ロッドマンさんは即興でスピーチをし、ハッピーバースデーの曲を歌ったという。
北朝鮮の国営メディアによれば、試合は47対39で北朝鮮チームが勝利した。
だが「バスケ外交」を標榜してこの1年で4回目の訪朝をしたロッドマンさんに、厳しい非難の声が上がっている。
北朝鮮では韓国系米国人のペ・ジュンホ(米国名ケネス・ペ)さんが政府転覆を図ったなどとして15年の労働教化刑を受け、現在服役中だ。ペさんの妹のテリ・チャンさんは8日、「外交なんてどこにもない。兄を犠牲にして試合をしただけ」と、ロッドマンさんを非難する声明を発表した。
かつてロッドマンさんは短文投稿サイト「ツイッター」上で、金第1書記にペさんの解放を呼びかけたこともある。そこでペさんの親族は、今回もロッドマンさんが北朝鮮政府にペさんの解放を働きかけてくれるものと期待していた。
だがロッドマンさんは7日のCNNとのインタビューで、ペさんが罪を犯したと示唆するような発言をして、かえって状況の悪化を招いたとチャンさんは主張している。
ロッドマン元選手が歌う様子