(CNN) 米プロバスケットボール(NBA)の元選手、デニス・ロッドマンさん(52)が7日、訪問先の北朝鮮でCNNとの独占インタビューに応じ、声を荒らげて訪朝の正当性を主張した。
「バスケ外交」と称するロッドマンさんの訪朝は2013年2月以降、4度目。今回は金正恩(キムジョンウン)第1書記の誕生日に当たる8日に、ロッドマンさんの率いるNBA元選手らと北朝鮮チームとの親善試合が予定されている。
インタビューでは金第1書記について「大好きな私の友人だ」と語った。北朝鮮では、韓国系米国人のペ・ジュンホ(米国名ケネス・ペ)さんが政府転覆を図ったなどとして15年の労働教化刑を受け、現在服役中。ロッドマンさんはペさんについて問われると「かれがこの国で何をしたのか分かっているのか」と切り返し、「私が喜んで説明したい」などと述べたが、具体的な内容には言及しなかった。
ロッドマンさんはさらに「(元選手たち)10人はスポーツ交流で手を差し伸べようと、家族を残してこの国へやって来た。それが分からないのか」と訴え、インタビュアーが「分かります」と答えると「そちらがどう考えようと知ったことではない」と声を荒らげた。
これに対して米国では、ホワイトハウスのカーニー報道官が、ロッドマンさんの個人的な訪問だと強調。ペさんの健康状態を懸念し、即時解放を求める米政府の立場は変わらないと語った。
米国のリチャードソン元国連大使はCNNにロッドマンさんへの「失望」を表明し、「ペさんが罪を犯したと示唆するような発言は一線を越えている」と批判した。
NBAのスターン・コミッショナーは7日、「NBAはロッドマン氏の訪朝とは無関係であり、こうした計画に米国務省の承認なしで参加、賛同することはない」「スポーツが異文化間の架け橋になり得るケースも多いが、今回は該当しない」とする声明を出した。
インタビューではロッドマンさんが怒りを爆発させた後、同行している元選手の1人、チャールズ・D・スミスさんが改めて「私たちの目的は政治ではなくバスケだ」「北朝鮮が米国のチームを招いたのは文化交流のため、人々を笑顔にするためだ」と主張。「われわれの存在のせいで騒ぎが起きたことは謝るが、自分たちがやっていることについて謝罪するつもりはない」と語った。
訪朝のロッドマン、インタビューで怒り爆発