米コロラド州で嗜好用マリフアナの販売開始

2014.01.02 Thu posted at 12:15 JST

デンバー(CNN) 米コロラド州で1日、同国初となる嗜好(しこう)用マリフアナ(乾燥大麻)の販売が開始された。

コロラド州では2012年に、ワシントン州と同様に、住民投票で嗜好用マリフアナの合法化案が可決された。コロラド州では医療用マリフアナはすでに合法だが、この住民投票の結果を受けて州憲法が修正され、嗜好用マリフアナの小売販売が可能になった。

そして1日から、州と各地方自治体が最近制定した規制の下で、米国で初めて店舗での嗜好用マリフアナの販売が開始された。

ただ1日からマリフアナを販売するのはごく一部の調剤薬局で、今後数カ月間に州内の多くの薬局が販売を開始する。そのため、ある薬局では午前8時の開店前から、降雪の中100人以上が列を作った。

またデンバー市内の別の薬局では、開店後3時間経過しても店外に約100人が並んでいた。マリフアナを購入して店から出てきた客がマリフアナの入った袋を頭上に掲げると、歩道で順番待ちをしている人々から大きな歓声が上がった。

新州法の下では、州の住民はマリフアナを最大1オンス(約28グラム)まで購入可能だが、ある薬局では購入希望者が殺到したため、販売量を8分の1オンスに制限した。

購入者の中にはバーモント州やアリゾナ州など他州から来た人もおり、さらにアラスカやハワイから来た人や、カナダ、オーストラリア、イタリアなど海外からの客もいた。ちなみにコロラド州外からの客は4分の1オンスしか購入できない。

このマリフアナ合法化の動きについては、米国内でも賛否が分かれている。

アメリカ自由人権協会のエドワーズ会長は、「コロラド州に続きワシントン州でもマリフアナが合法化され、さらに他の州でも合法化が真剣に検討されている。我々はこの動きを数十年に及ぶマリフアナをめぐる戦争と、それに伴う人的、財政的犠牲の終わりの始まりととらえている」と述べた。

一方、医師、政治家、教師らで構成される、マリフアナの健康的な利用を推進する組織「マリフアナの賢い利用法(SAM)」は「マリフアナの合法化により、今後アメリカ式の宣伝や販促活動が行われるだろう。しかしそれは(中毒から)回復途上の人、親、コミュニティにとって最も好ましくないことだ」と語った。

しかし、コロラド州のすべてのコミュニティが新州法に参加しているわけではない。

店舗でのマリフアナ販売を許可するか否かの決定権は各コミュニティにあり、実際グリーリーやコロラド・スプリングズなど、大半のコミュニティはまだ店舗での販売を認めていない。

またデンバー国際空港当局は今週、空港内へのマリフアナの持ち込みを全面的に禁止した。以前は医療用マリフアナに限り持ち込み可能だったが、嗜好用マリフアナ販売の合法化を受け、混乱を避けるために全面禁止に踏み切ったという。空港当局は、今後多くの人々が空港にマリフアナを持ち込み、州外に持ち出そうとするのではないかと懸念している。

嗜好用マリフアナの販売開始

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