スキー事故のシューマッハ、昏睡状態続くも容体はわずかに改善

元F1王者のミハエル・シューマッハさん

2014.01.01 Wed posted at 10:50 JST

フランス・グルノーブル(CNN) スキー中の事故で頭部に重傷を負い、入院中の元フォーミュラワン(F1)ドライバーのミハエル・シューマッハさん(44)の治療に当たっているフランスの医師団は31日の会見で、シューマッハさんの容体が「わずかに改善している」と語った。しかし、「まだ楽観は禁物」とも語った。

グルノーブル大学病院センターの麻酔科主任ジャンフランソワ・パヤン氏は、30日夜にシューマッハさんの脳圧を「徐々にではあるが有効に」緩和するための外科的介入を行ったことを明らかにした。30日午後に行ったスキャンでシューマッハさんの容体に劇的な改善が見られたため、シューマッハさんの家族と相談の上で手術に踏み切ったという。

約2時間に及んだこの手術では、大きな血腫の除去などを行ったという。しかし、シューマッハさんは依然として医療行為により生じた昏睡状態が続いている。

パヤン氏は会見で、「昨日(30日)よりも状況をうまく掌握できている」とした上で、「危険な状態を脱したとは言えないが、彼が回復するための時間は稼げた。しかし今後数時間は、われわれの戦略において極めて重要な数時間になる」と述べた。パヤン氏は、シューマッハ氏の予後を予測するのは時期尚早だとし、「まだ先は長い」と付け加えた。

CNNの取材に答えるミハエル・シューマッハさん=2010年

またシューマッハさんのマネージャーを務めるサビーネ・ケーム氏は31日、事故当時現場にいたシューマッハさんの友人や家族から聞き取った事故の詳細な経緯について語った。

ケーム氏によると、シューマッハさん一行が雪深い場所を滑走中、シューマッハさんは転倒した友人を助けたという。そして再び滑り出し、方向転換した時に雪の下に隠れていた岩にぶつかったと見られる。その衝撃でシューマッハさんは空中に放り出され、別の岩の上に頭から落下し、頭部に重傷を負った。

当時、シューマッハさんは高速で滑っていなかったため、いっしょにいた友人らは当初、シューマッハさんのけがのひどさに驚いたという。ケーム氏は「これは滑走速度の問題ではなく、岩にぶつかった時の角度の問題だ」と語った。

またケーム氏は、医師団の最新の発表をあまり深読みしすぎないよう警告した。

ケーム氏は、「医師団が事態を楽観視していないことが明白になった。つまり、昨日(30日)から容体はわずかに改善したが、まだ楽観は禁物ということだ」と述べ、「予断を許さない状況は変わらない」と付け加えた。

またケーム氏は、あるジャーナリストが神父を装い、シューマッハさんの病室に忍び込もうとしたことも明らかにした。

シューマッハ、昏睡状態続く

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