「1泊」の観光客拒否の住民運動、日常生活防衛で 米ハワイ

「1泊」の観光客を拒否する住民運動が起きているという

2013.12.22 Sun posted at 16:58 JST

(CNN) 米ハワイのオアフ島にあり手付かずの白砂のビーチなどを誇るカイルア地区で、住民が同州の観光行政当局に対し1泊などの短期滞在の観光客を誘致する宣伝差し止めを求める運動を起こしている。

住宅地域への短期滞在の観光客受け入れを禁じる1980年代制定のホノルル群の条例を根拠にしている。同地区に滞在する観光客は毎年数千人規模とされ、オバマ米大統領一家も休暇先として選んだことがある。

同地区の住民組織の責任者であるチャック・プレンティス氏は、観光客は歓迎するとしながらも、住居地域に1泊の観光客を取り込む宣伝活動は住民の普段の日常生活の在り方を守るためにも不適切な措置と主張。高級ホテルが建ち並び、歓楽設備も豊富な「ワイキキ」の代替地としての売り込み方法の中止も求めている。

同住民団体は今年9月、宣伝差し止めなどを求める動議を承認していた。

特に反発しているのは、観光行政当局が公式サイトのページで家族やグループ用として好適とするカイルア地区の宿泊施設のレンタル使用。これらの施設の大半でのレンタル利用は違法とも主張し、サイトからのページ削除も要求した。

「1泊」の観光客を拒否する住民運動が起きているという

同団体の責任者は、インターネットでカイルアの短期滞在用の宿泊施設の調べたところ250カ所以上の情報が得られたものの、合法的な経営は65カ所のみだったとも報告した。

これに対し、観光行政当局の責任者は10月、住民団体に書簡を送り、正式な許認可を得ていない宿泊用のレンタル施設の利用は促していないと反論。一方で、カイルア地区への訪問客による経済的な恩恵は推定で年間1億300万ドルにも達するとも指摘した。

住民団体はこの主張に、いかなる犠牲を払っても観光業を優先させる発想と反発。ホノルル市やホノルル郡に違法な宿泊施設の運営について問題提起したが、職員不足で市条例の順守が実現していないとしている。

同団体は来年1月に、短期滞在客の拒否問題を改めて協議する予定。

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