(CNN) 首都ジュバで激しい戦闘が起きた南スーダンの外務省は18日、国軍が事態を完全に収拾し、秩序を回復したと発表した。今回の戦闘による死者は500人あまり、負傷者は800人以上に上っている。
南スーダン政府は、ジュバの街は平常に戻って市民は職場に復帰し、官公庁も業務を再開したと強調。ジュバ国際空港も営業を再開したとしている。
これに対して国連の報道官代理は「状況は極めて流動的であり、同国がまだ危機を脱したとは思わない」との見方を示した。
同国のキール大統領は16日のテレビ演説で、7月に解任したマシャール前副大統領を支持する兵士らがクーデターを画策し、15日夜から戦闘を始めたと発表していた。
国連は、この戦闘の背景には民族対立があるとの懸念を示していたが、南スーダン政府はこの見方を否定。今回のクーデター未遂は、首謀者らの「権力への野心」が引き起こしたものだと強調した。政府軍と衝突していた勢力はナイル川付近に移動したと説明している。
同国情報相によると、今回の戦闘では森林からも遺体が見つかっているほか、病院に搬送された負傷も多数が死亡しているという。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は17日の時点で、「暴力がほかの州に広がる恐れもあり、既にその兆候は見えている」と指摘していた。
国連によると、ジュバ北部の町ボルでも南スーダン赤十字が民間人19人の死亡を確認した。国連のキャンプには約800人が保護を求めて集まっているという。
米国務省は南スーダンにいる米国人に対して直ちに出国するよう勧告し、不要不急の米政府職員にも出国を指示した。18日にジュバを発つ避難便は既に満員だという。
英外務省も大使館員などの一部を一時的に退避させると発表した。
南スーダン首都で戦闘