スノーデン元CIA職員、ブラジルに公開書簡 捜査協力の申し出

スノーデン元CIA職員(中央)=HRW提供

2013.12.18 Wed posted at 11:19 JST

(CNN) 米国家安全保障局(NSA)などによる情報収集活動を暴露し、現在ロシアに一時亡命中のエドワード・スノーデン元中央情報局(CIA)職員が18日までに、ブラジルに公開書簡を送り、同国を対象としたNSAの活動についての捜査に協力を申し出た。

スノーデン元職員が暴露した情報を英紙ガーディアンで最初に伝えたジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏によると、公開書簡は同氏のパートナー、デービッド・ミランダ氏が交流サイト(SNS)のフェイスブック上に持つページなどに投稿された。

元職員はこの中で、「ブラジル国民を標的とした米政府の犯罪の疑い」について、ブラジル側の捜査に協力したいと表明。過去にも同国議会に協力の意向を伝えていたが、米国に妨害されて南米に到達することさえできなかったと主張し、「どこかの国から恒久的な亡命の許可が得られない限り、米国は私の発言を妨害し続けるだろう」と述べている。

ブラジルでは9月、ルセフ大統領がNSAの監視対象になっていたとの情報が流れ、フィゲイレド外相らが「容認できない」と強く反発した。一方でブラジル政府は先月、同国が2003~04年にロシアやイラン、米国からの外交官を監視対象としていたことを認めた。

NSA本部の建物

元職員は書簡でブラジル国内の主要都市の名を挙げ、「あなたがサンパウロで携帯電話を持ち歩いていたらNSAはその位置を追跡することができるし、実際に世界中で毎日50億回もこれを実行している。フロリアノーポリスに住む人があるウェブサイトを閲覧したら、NSAはその時刻や操作内容を記録する。ポルトアレグレの母親が大学生の息子に電話をかけて試験がうまくいくようにと話せば、NSAは通話記録を5年以上保管する。特定の人物の名誉を損なう必要が生じた場合に備え、だれが浮気をしていてだれがポルノサイトを見ているかも追跡している」と訴えた。

さらに、米議員らは「心配ない」「これはスパイ活動ではなく、皆さんの安全を守るための情報収集活動だ」と主張するが「それは間違っている」と述べ、「具体的な疑いに基づいた合法的な捜査とはまったく違う。テロ対策とは関係なく、経済、政治的な権力を狙った活動だ」と批判した。

スノーデン元職員は近く欧州議会の委員会で、NSAが世界各国で展開する活動全般に関し、ビデオを通して証言する見通し。情報筋によると議会の一部では証言に反対する声も上がったが、支持する意見が過半数を占め、来年1月にも実現するとみられる。ビデオを生中継とするか、事前に録画するかはまだ明らかでない。

スノーデン元CIA職員、ブラジルに公開書簡

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