投資するならクラシックカー? 記録的高値の落札相次ぐ

「最高の投資先」はクラシックカー?

2014.01.13 Mon posted at 17:22 JST

(CNN) クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)やコモディティーのデリバティブ(金融派生商品)に投資するのは、感動も興奮もなく、なんとも味気ない。血が湧き胸が躍るような投資先はないものか――そう悩んでいる人にお勧めなのがクラシックカーかもしれない。

近年のオークションでは、クラシックカーが記録的高値で落札される例が相次いでいる。

米競売大手サザビーズが昨年11月に「自動車の芸術」と題して開催したオークションでは、クラシックカーなど計31台が落札された。落札総額は6300万ドル(約63億円)近くに達する。

英不動産仲介大手ナイト・フランクが発表した指数によると、クラシックカーの平均価値はここ10年で430%上昇。一方、同時期の金の価格は273%の上昇。ロンドン証券取引所の代表的な株価指数「FTSE100」はわずか55%の上昇に過ぎない。

実際、昨年7月には1954年製のメルセデス・ベンツが約3000万ドルで落札された。公開オークションで競り落とされた自動車としては過去最高額であり、以前の記録を13O0万ドル以上上回る。

さらに、英ボナムズの競売でも、元ビートルズのリンゴ・スター氏が所有していたファセル・ベガが約55万ドルで落札された。

ハンドルを握るリンゴ・スター氏。著名人が所有することで車の価値も上昇するという

ボナムズの広報クロエ・アシュビ氏は「著名人が車を所有していたという事実があれば、軒並み高値が付く。もちろんその著名人が誰であったかにもよるが」と話す。同氏も、クラシックカーの需要は年々増大してきたと話す。

クラシックカー専門の英調査会社ヒストリカル・オートモービル・グループの創業者ディートリヒ・ハトラパ氏によると、金融危機以来、有形資産に投資する傾向が特に顕著だという。

ハトラパ氏は「実際に運転して面白く、生活の一部になるという意味でも、クラシックカーは魅力的な投資先」と説明する。

ただ、関係者の間では既に市場の先細り感が強まっている。また資産としての流動性に乏しいことなど、クラシックカーには様々な投資リスクもある。

ハトラパ氏は、金銭的な利益だけを求めてクラシックカーを購入することには反対だ。

ハトラパ氏は「純粋な投資目的でこの市場に参入するべきではない。クラシックカーへの情熱が必須となる。情熱的になれる何かを持っているという満足感こそ、ビンテージカーを所有することで得られる最大の利益だ」と話した。

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