(CNN) 日本にぬいぐるみ専門の旅行会社がある。経営者の女性の記事が読売新聞が発行する英字新聞「The Japan News」のウェブサイトに掲載された。この会社の顧客は自分の代わりにぬいぐるみを旅行に行かせ、本人は家に残る。
決して冗談ではない。
ぬいぐるみのための旅行代理店「ウナギトラベル」を運営する東園絵さんは、過去3年間に日本、欧州、米国のめぐるぬいぐるみの旅を企画してきた。東京ツアーでは渋谷、浅草、東京タワーなどを訪れる。また温泉ツアーもある。
東京までのぬいぐるみの送料は利用者の負担だが、返送料は旅行代金に含まれている。ただ、ぬいぐるみには「体重制限」があり、重さ300グラムまでとなっている。またウナギトラベルには英文サイトもあり、英語での予約も受け付けている。
一体、どんな人がこのサービスを利用するのか
Japan Newsは、このサービスを利用したある女性を紹介している。この女性は病気のために歩行が困難になり、家に引きこもりがちになった。しかし、東さんの旅行に参加した自分のぬいぐるみの写真を見たのをきっかけに足のリハビリに励み、数年ぶりに近隣県に出かけた。
この女性は、自分のぬいぐるみが旅行をしている姿に励まされ、自分ができないことについて嘆くのではなく、自分ができることやろうと考えるようになったという。
他にも、家族が亡くなって落ち込んでいたが、ぬいぐるみの姿を見て元気が出たという声や、普段やらないことに挑戦する気になったという声もあった。東さんの常連客の中には、車いすの女性もいる。
人の代わりにぬいぐるみが旅行するという一見突拍子もない東さんのサービスが、自分で外に出て世界を見て回る自信のない人に勇気を与えたり、体が不自由で旅行に行かれない人に心の安らぎを与えているようだ。