「朝鮮戦争は終わっていない」 北朝鮮から解放の米男性

北朝鮮から帰国した米退役軍人メリル・ニューマンさんが声明を発表

2013.12.10 Tue posted at 12:14 JST

(CNN) 北朝鮮にとって朝鮮戦争はまだ終わっていなかった――。10月に訪れた北朝鮮で拘束され、先週解放されたばかりの米退役軍人メリル・ニューマンさん(85)が声明を発表し、自身の拘束理由などを振り返った。

ニューマンさんは声明の中で、拘束中はニュースを見聞きすることが全くできず、帰国してから大量の報道を知ったと述べた。

「テレビや新聞では私が拘束された理由についてさまざまな臆測が飛び交ったようだが、自分でもよく考えてみた。その結果、北朝鮮政権にとって朝鮮戦争はまだ終わっていないということや、朝鮮戦争についての外国人の発言はたとえ悪気がなくても大きなトラブルを招きかねないことを理解していなかったせいだ、との結論に達した」としている。

拘束のきっかけになった出来事としては、北朝鮮側のガイドに朝鮮戦争時代の兵士でまだ生きている人はいるかと尋ね、できれば会ってみたいと話したことを挙げる。「単なる好奇心だったが、悪意があると誤解されてしまったようだ」「北朝鮮の人々は現在も朝鮮戦争について、私が考えていたよりはるかに大きな怒りを感じていることが分かった。今思えば配慮が足りなかった」と述べている。

バイデン米副大統領もニューマンさんの解放に尽力

北朝鮮側からは当初、拘束の理由について公式の説明がなかったが、先月になってニューマンさんが書いた「謝罪文」とされる文書と、それを本人が読み上げる映像が公開された。文書には、ニューマンさんが朝鮮戦争で北朝鮮に対する偵察部隊の顧問を務め、「北朝鮮の市民や兵士を多数殺害した」などと書かれていた。

ニューマンさんはこの文書について、「内容を読んだり私が読む映像を見たりすれば、私の自発的な発言ではなかったことが分かると思う。私を知る人にとって、私が告白したとされる行為を実際にしたはずがないことは明らかだろう」と主張する。

ニューマンさんはまた、自身の解放と同じ時期に韓国を訪問して朝鮮戦争の戦没者に献花したバイデン米副大統領や、解放に尽力した米国務省、平壌のスウェーデン大使館などに感謝の意を表明。さらに、北朝鮮で労働教化刑15年の有罪判決を受けて服役している米国人男性、ケネス・ペさんのことも忘れないでほしいと訴え、「私もできるだけ多くの質問に答えられるよう全力を尽くす」と述べた。

ニューマンさん解放、退役軍人に話を聞く

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