南アフリカ訪問前に知っておくべき10のこと

2013.11.30 Sat posted at 09:00 JST

(CNN) アフリカ大陸の最南端に位置する南アフリカは、アパルトヘイト(人種隔離)政策の撤廃から約20年が経過し、今ではアフリカで最も人気のある観光スポットの1つになっている。

人口約5200万人の同国には、ケープタウンやテーブルマウンテン以外にもあまり知られていない魅力がたくさんある。今回は、南アフリカを訪れる前に知っておくべき10のポイントを紹介する。

1.世界的大ヒットアルバムに影響を与えたクワズール・ナタール州

1986年に発表されたポール・サイモンのアルバム「グレイスランド」は、クワズール・ナタール州出身のバンドグループ、レディスミス・ブラック・マンバーゾと協力して制作された。サイモンはこのアルバムで、南アフリカのズールー人のアカペラの一種である「イシカタミア」を世界に紹介した。

2.セントルシアの住宅地で芝生を食べるカバ

セントルシアの街は、クワズール・ナタール州のイシマンガリソ湿地公園の中心に位置する亜熱帯の河口で、世界遺産に登録されている自然保護区の一部だ。

この河口には世界有数のカバの密集地があり、夕方、日が落ちると、カバたちが住宅地の芝生を食べに街にやってくる。

3.ケープポイントはアフリカ最南端ではない

喜望峰の灯台に続く階段を上る旅行者たちは、自分は今アフリカ最南端にいると思いがちだが、それは誤解だ。本当のアフリカ最南端の地に立ちたいなら、喜望峰の南東約170キロに位置するアガラス岬に行かなくてはならない。

4.スキーが楽しめる

アフリカ南部では、南アフリカの東ケープ州にあるティフィンデル・スキーリゾートと隣国レソトのマロチ山脈の中にあるアフリスキーの2カ所でスキーが楽しめる。ただ、シーズンは南半球の冬である6月から8月までと比較的短い。

5.1本の通りに2人のノーベル平和賞受賞者の家

南アフリカ最大の都市ヨハネスブルグ南東部のソウェト地区にあるビラカジ通りは、2人のノーベル平和賞受賞者の家がある世界で唯一の通りとして知られる。

南アフリカ共和国元大統領ネルソン・マンデラ氏と英国国教会の元大主教デズモンド・ツツ氏の家はこの通り沿いにあり、わずか数軒しか離れていない。ツツ氏は現在も妻のレアさんとその家に住んでいるが、マンデラ氏の家は国の歴史建造物に指定され、博物館として一般公開されている。

6.カラハリ砂漠の中にあるスペースシャトルの緊急着陸用滑走路

アピントンは人口わずか7万5000人ほどの小さな町で、南アフリカ国民の大半は一度も訪れたことがない。しかし、この町にあるアピントン空港には4.9キロという世界一の長さを誇る滑走路があり、スペースシャトルがアフリカ南部で緊急着陸する場合の着陸地に指定されていた。

7.ヤマアラシの針毛をはいだ後の皮は美味?

南アフリカで生まれた伝統料理を見つけるのは容易ではない(南アフリカ料理の大半は混合文化の産物)。それを生涯の仕事の1つとして取り組んだのが、20世紀初頭の南アフリカ人作家C・ルイス・レイポルドだ。

レイポルドはいくつかのレシピを残しており、ヤマアラシのクラックリング(皮と脂肪をカリカリにローストした料理)もその1つだ。

レイポルドのレシピによると、この料理の下準備として、まずヤマアラシを煮え立った湯に入れ、針毛と体毛をそぎ落し、皮が完全に白く、なめらかになるまでこする。そして肉は捨ててしまう。レイポルドによるとヤマアラシの肉はあまりおいしくないという。

8.大英帝国が最も衝撃的な軍事的敗戦を喫した地

1879年初頭、大英帝国軍は現在の南アフリカ共和国クワズール・ナタール州にあったズールー王国を攻撃しようとしていた。

最高司令官チェルムスフォード中将は、当時の最新兵器を保有していた大英帝国軍にとって、兵士が裸足の上に、やりと盾が主な武器であるズールー軍など楽勝の相手と考えていた。

しかし中将は、ズールー国王セテワヨの指揮の下でズールー軍が用いた巧みな戦術に予想外の苦戦を強いられた。

ズールー軍は水牛の角と胸を模した編隊と、短いやりの使用で大英帝国軍を圧倒。大英帝国軍はこの戦闘に1800人の兵士を投入し、最終的にそのうちの1300人以上が命を落とした。

世界最大級の電波望遠鏡「スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)」の建設計画が進んでいる。3000もの皿形が並ぶイメージ図 (C) SPDO/Winburne Astronomy Productions

9.巨大電波望遠鏡「SKA」

南アフリカ南西部の半砂漠地帯カルーにSKA(スクエア・キロメートル・アレー)と呼ばれる巨大な電波望遠鏡が建設されている。

敷地の総面積は1平方キロメートルに及び、完成までにさらに10年かかる。

SKA望遠鏡は従来の1万倍の速度でのデータ収集が可能で、宇宙がどのように形成され、今後どのようになるのかを解明する上で力を発揮することが期待される。

10.木の中に作られたバー

南アフリカで最も乾燥している地域の1つであるリンポポ州に、アフリカ最大かつ最古の木、バオバブの森がある。また同州の小さな町モディアディスクルーフの近くには、地元の住民が世界最大と主張するバオバブの木がある。この木は、高さが22メートル、直径は47メートルあり、幹の空洞部分がバーになっている。

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