北朝鮮で拘束の米国人男性、家族が解放を呼び掛け

2013.11.26 Tue posted at 19:22 JST

(CNN) 北朝鮮で米国人男性、メリル・ニューマンさん(85)が拘束されている問題で、ニューマンさんの妻と息子が25日、CNNの番組に出演し、ニューマンさんを28日の米感謝祭までに帰してほしいと訴えた。

ニューマンさんは米カリフォルニア州パロアルト在住の元金融コンサルタント。先月10日間の北朝鮮ツアーに参加し、帰国直前の26日に拘束された。米政府は北朝鮮で米国の利益を代表するスウェーデン大使館を通し、情報収集などに当たっている。

妻のリーさんは番組の中で、ニューマンさんの拘束がすでに30日間に及んでいると指摘。夫に伝えたい言葉を問われ、「あなたがいなくて寂しい、帰ってきてほしい」と呼び掛けた。

息子のジェフさんは、「国務省と定期的に連絡を取っている。熱心に交渉を進めてくれていると思うが、現時点で北朝鮮側からの返答はないようだ」と述べた。そのうえで、心臓病を患っているニューマンさんが服薬を続けられているかどうか、「せめてそれだけでも確認しなければ」と力を込めた。ニューマンさんは旅行中の分の薬しか持って行かなかったため、家族が小包で追加の薬を送ったが、届いたかどうかは分からないという。

旅行中のニューマンさんからの電話や絵はがきから、トラブルの兆候はまったくうかがえなかったと、ジェフさんは振り返る。

ニューマンさんは朝鮮戦争に従軍した経歴を持つ。リーさんは、「本人にとって従軍も若いころの重要な経験。その幕引きをしたかったのではないか」と話す。リーさんによると、ニューマンさんは「常に世界への関心と朝鮮の人々への敬意を持ち続け、北朝鮮を訪れて人々と会えるかもしれない機会を楽しみにしていた」という。

ニューマンさんが拘束された理由のひとつとして、この従軍経験が考えられる。あるいは、朝鮮戦争の英雄として勲章を与えられた同名の別人に間違えられた可能性もある。

北朝鮮ではもう1人、ケネス・ペさんが12年に拘束され、労働教化刑15年の有罪判決を受けて服役している。北朝鮮当局が核問題の交渉再開を巡り、米国から譲歩を引き出すためにニューマンさんを拘束した可能性も指摘されている。

北朝鮮で拘束の米男性、家族が解放を呼び掛け

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