経営者の報酬、最も低い従業員の12倍以内に? スイスで国民投票

企業トップの報酬が最低額の従業員の12倍以内に?

2013.11.22 Fri posted at 15:23 JST

(CNN) スイスで24日、企業経営者の報酬について、その会社で最も賃金の低い従業員の12倍を上限と定める提案の是非を問う国民投票が実施される。

この提案は「1:12イニシアチブ」と呼ばれ、企業経営者の1カ月の収入が、最も賃金の低い従業員の1年分の収入を超えることがあってはならないという考えに基づく。支持者が10万人の署名を集めて国民投票を実現させた。

提案を推進しているスイスの議員は、所得格差の拡大は不公平を生み、一握りの富裕層が社会、経済、政治に対して不当な影響力を行使することにつながると主張。「民主主義が脅かされる」と懸念する。

最近の世論調査では、提案は35~40%の支持を獲得しているという。

CNNコラムニストのジョン・サッター氏は、米国でも所得格差解消のためにこうした手段を検討する必要があるとの考えだ。

労働組合連合の調査によると、米大手500社の最高経営責任者(CEO)の1日の収入は、平均的な平社員の約1年分の収入に相当し、格差は平均で354対1に達しているという。別の統計で2012年の格差は273対1前後だったという数字もある。

これに対してスイスの平均格差は148対1となっている。

ブルームバーグが米企業250社を対象とした調査では、CEOと一般社員の所得格差が最も大きいのは大手百貨店JCペニーの1795対1だった。同社CEOの2012年の給与と賞与を合わせた年収は5330万ドル(約54億円)。これに対して一般社員は3万ドル(約300万円)だった。

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