豪首相、インドネシア大統領への盗聴疑惑で「謝罪せず」

アボット氏

2013.11.20 Wed posted at 15:03 JST

(CNN) オーストラリアの情報機関がユドヨノ・インドネシア大統領らの携帯電話の盗聴を試みていたとの報道を受け、両国の関係が悪化している。アボット豪首相は19日、この件で謝罪するつもりはないとの立場を改めて示した。

アボット首相は議会での演説で、「オーストラリアが自国を守るために取っている措置、あるいは過去に取った措置について、謝罪する必要はない。他国の政府がこうした行為で謝罪を求められないのと同じことだ」と説明。さらにこれと同様、国防の詳細を公表する必要もないと述べた。

同時に「わが国がインドネシアの政府と国民に深い敬意を抱いていることははっきりさせておく」「ユドヨノ大統領はわが国の良き友人だ。最近の報道が大統領に困惑をもたらしたことを遺憾に思う」と語った。

盗聴疑惑は豪ABC放送とガーディアン紙オーストラリア版が最初に伝えた。米当局などによる情報収集活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者から文書が提供されたという。

それによると、豪情報当局は2009年8月、15日間にわたってユドヨノ大統領の携帯電話の発信、着信記録を追跡した。少なくとも1回は内容の盗聴を試みたが、この通話は1分以内で切れたため失敗に終わった。大統領の側近らの携帯電話も盗聴の対象になったとされる。こうした報道に対し、アボット首相は一貫して情報収集活動の正当性を主張している。

インドネシア政府は18日、駐豪大使を召喚し、自国に駐在する豪大使を呼んで抗議した。ユドヨノ大統領は19日、ツイッターに直接書き込んだとみられるメッセージで、アボット首相に反省の色がみられないと非難。「豪政府にはインドネシア社会が理解できる公式の回答を求める」と迫るなど、不快感をあらわにした。

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