(CNN) 米特殊作戦軍が人気映画シリーズ「アイアンマン」の主人公が身に付ける「戦闘・防御スーツ」を思わせる新たな装備品の開発に踏み切ったことが17日までにわかった。
この装備品は米国防総省の正式名称では「Tactical Assault Light Operator Suit」だが、内部では「アイアンマン・スーツ」と呼ばれているという。
このスーツへの導入が予想される技術の多くは既に開発されている。ただ、米海軍特殊部隊の元兵士によると、これらの技術は現段階であくまで個別に存在しており、アイアンマン・スーツでは合体化させての機能発揮を目指すことになる。
具体的には、米軍事関連企業レイシオンと米国防総省は過去2年間、体の外に装着して「怪力」を発揮する「外骨格」のような装置開発に従事している。この装置を付ければ、普段の能力に比べ重量が17倍もの物体を持ち上げることが可能になる。
また、「スプリングアクティブ」社は兵士の軍靴に組み込み、1歩進むごとに電力を生み、装備品の電源に充てられる装置を発明した。
スポーツ用品メーカーの大手「アディダス」が開発したサッカーチーム用の技術も容易に応用出来るとされる。
アイアンマン・スーツを着込んだ場合、戦闘現場の各兵士は背中にトランプカード1組ほどの大きさの小型機器を装着すると、心拍数や発汗の具合などのデータを随時知ることが出来る。歩行速度、目的地までの距離、全地球測位システム(GPS)を通じた自らの居場所や味方部隊の位置の情報も入手し得る。司令官は部隊の動向をリアルタイムで把握することも可能。
海軍特殊部隊の元兵士は、開発が順調に進めば「アイアンマン・スーツ部隊」は戦闘現場で極めて大きな意味を持つと指摘。「彼らの前進を止めることは出来ないだろう」との戦果を予想した。
米特殊作戦軍のマクレイバン司令官は最近、アイアンマン・スーツの開発着手に伴い、アフガニスタンで失った特殊工作員に触れ、工作員の犠牲者はこれを最後にしたいとの思いを漏らした。
「失った工作員がドアの背後に誰がいるのか分からないが、開けなければいけない状況を考えて欲しい。開いた時、彼は可能な限りの防御が出来る状況にいなければならない」と付け加えた。
米軍が「アイアンマン部隊」を構想