米国、象牙とサイ角の密輸撲滅に初の報奨金 ラオス組織標的

2013.11.14 Thu posted at 18:53 JST

(CNN) 米国政府は14日までに、アフリカとアジアの間で象牙とサイの角の密輸に関与する組織や人物の情報提供に100万ドル(約1億円)の報奨金を提供する方針を明らかにした。

米国務省によると、同国がこの種の報奨金を約束するのは初めて。

ラオスに拠点を起き、南アフリカ、モザンビーク、タイ、マレーシア、ベトナムや中国などにも配下がいる密輸組織「Xaysavang Network」の壊滅を狙った措置となっている。

ケリー米国務長官は声明で、動物の違法密輸による収入は年間で80億ドルから100億ドルまでに達するとし、麻薬や人身売買の資金源にもなっていると指摘。多国間で暗躍する組織による野生動物の密輸は汚職撲滅の支障となり、不安定な地域での法統治と国境警備を脅かすと指摘。自然界の生物の多様性とエコツーリズムに収入などを頼る地域社会を揺るがすとも述べた。

アジアの富裕層に根強い需要があるとされるサイの角は多額の収入が見込める取引とされる。角はがん、二日酔いの有効な治療薬と受け止められ、男性の性的能力を高める効果があるとも思い込まれている。

角の密猟者は近年、需要の増加と共に最新技術や先端兵器など動員してサイを殺しているとされる。アフリカ大陸で殺害されたサイの個体数は昨年、約745頭で、過去20年で最高数との指摘もある。

動物保護団体によると、象牙の違法取引の増加に伴い近年殺されたゾウの頭数は毎年3万頭に達している。

国際動物福祉基金(IFAW)は、象牙確保のため2011、12両年に殺されたゾウは記録的な数字を示したと説明。一部の種のサイは絶滅もしくは絶滅の危機にあると強調している。

同基金によると、米国は動物の違法取引量では世界で2番目に多い。サリー・ジュエル米内務長官は今年9月、国内で象牙6トンが押収され、廃棄処分にすると述べていた。米国は象牙の商業取引は1989年以降、禁止している。

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