アラファト氏毒殺説裏付けか 遺体からポロニウム検出

パレスチナ自治政府の故アラファト議長

2013.11.07 Thu posted at 09:59 JST

(CNN) 2004年に死去したパレスチナ自治政府のアラファト議長(当時)の死因を巡り、スイスの研究機関がアラファト氏の所持品や組織を調べた結果、放射性物質のポロニウム210が相当量検出されたと発表した。同氏の毒殺説を「ある程度」裏付ける結果だとしている。

アラファト氏は04年11月、パリの病院で死去した。当時は病死とされたが、12年に所持品の一部からポロニウム210が検出されたことを受け、毒殺を疑う妻の希望で遺体が掘り起こされ、スイスの研究機関が調査を進めていた。

その結果、下着に付着した尿の染みなどの痕跡から相当量のポロニウムが検出されたほか、遺体から採取した骨などの検体からもポロニウムが見つかったという。

ただ、血液などの標本がほとんど残っていなかったことや、ポロニウムの半減期が138日と短いことなどから、8年後の検出は「非常に難しく、不確実な部分も多い」としている。

アラファト氏の遺体は毒殺を疑う妻の希望で掘り起こされ、研究機関が調査していた

この結果について英国の専門家は、「アラファト氏が死去した当時、体内に一定量のポロニウム210があり、健康状態が相当悪化していたことをうかがわせる」と指摘した。

アラファト氏の死を巡り、イスラエルによる毒殺説を主張してきたパレスチナ自治政府の幹部は今回の結果を受けて、「すべてがイスラエルの仕業であることを指し示している。同国にはこのような毒殺の実績がある」と主張、国際的な犯罪捜査を求めると表明した。

これに対してイスラエルの外務省報道官は6日、「我々は無関係だ」「イスラエルの関与を裏付けるものは何もない」と反論している。

アラファト氏遺体からポロニウム検出

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