シリアの化学兵器、申告漏れの疑い 米機密情報

化学兵器を巡り、申告漏れがあったことを示す機密情報を米政府が得たという

2013.11.06 Wed posted at 09:46 JST

ワシントン(CNN) 化学兵器禁止機関(OPCW)が進めるシリアの化学兵器廃棄活動を巡り、米政府がシリア側に申告漏れがあったことを示す機密情報を得たことが6日までに分かった。CNNが新たに情報を入手した。事実とすれば、OPCWの活動が完了した後も、同国の手には化学兵器が残ることになる。

シリアについての最新情報を知る複数の米当局者が、CNNとのインタビューで匿名を条件に語った。情報当局や国防総省、国務省、ホワイトハウスがこの情報を精査しているという。

ある当局者は「決定的な結論はまだ下っていないが、裏付け情報を収集してシリア政権の意図を確認しようとする動きがある」と述べた。

同当局者らによると、新情報は化学兵器の在庫や弾頭、砲弾といった運搬手段にかかわる内容。シリアのアサド政権は、主としてイスラエルからの脅威に対する長期的な防衛策として、一部の化学兵器を手元に置きたいと考えている可能性があるという。

米当局者らはこれまで、シリアがOPCWに出した申告に偽りはないとの見方でほぼ一致していた。

シリア各地で調査が行われた

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は5日の声明で、シリアによる申告が完全で正確なものかどうか、検討と評価を続けると表明。一方で、申告内容はOPCWの規定により機密扱いとされているため、詳細についてはコメントできないと話した。

新情報がどのように収集されたのかは不明。これまでシリア政権に関する情報の多くは衛星画像や通信傍受、現地の工作員などから得られてきた。

これとは別に、米誌フォーリン・ポリシーは先週、シリア外相が化学兵器工場のうち数十カ所を破壊せず、民生利用のために残したいとの意向を示したと伝えた。

OPCWは、シリアが申告した化学兵器を国外へ運び出して処理する方向で計画策定を進めているが、この場合運搬中の安全確保が課題となる。米政府は、新たに開発された処理装置の提供を検討している。

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