輸入香辛料に昆虫やネズミの毛、サルモネラ感染も 米当局

2013.11.01 Fri posted at 12:06 JST

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)がこのほどまとめた香辛料の衛生状態に関する報告書で、米国に輸入された香辛料の12%に昆虫の体の一部やネズミの毛などが混入していたことが分かった。

さらに輸入品の検査では、7%から下痢や発熱などの症状を引き起こすサルモネラ菌が見つかっているという。

香辛料からこうした不衛生物質が見つかる割合は、輸入食品全体の2倍に上る。特に混入率が高かったのはインドとメキシコ産の香辛料だった。

ただし香辛料が健康被害に結びついた事例は少数にとどまっている。73年間の記録を調べた結果、香辛料や調味料を原因とする食中毒の発生数は世界で14件のみで、症状が出たのは2000人未満、入院は128人だった。この数字はほかの食品に起因する食中毒に比べると少ないという。

ただ、患者が症状が出る前に食べた食品を挙げる際、香辛料のことは忘れがちなため、被害が表面化しないケースもあるとみられる。また、香辛料はごく少量しか摂取されず、病原菌にさらされる量も少なくて済む。

業界関係者によると、香辛料の原料となる作物は小規模農家で栽培して乾燥される。農家や中間業者でしばらくの間保存された後に、工場などで加工されるケースも多く、この間に異物が混入する公算が大きい。

FDAによると、インドでは現在、細菌感染などのリスクを低減するため農家を指導しているほか、米国の業界団体も安全講習などを実施している。

FDAも設備の検査態勢を強化するなど香辛料の衛生状態を改善するための対策を取る方針だ。

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