ワシントン(CNN) 米国家安全保障局(NSA)がドイツのメルケル首相の電話を盗聴するなど欧州の各国で監視活動を行っていたと伝えられた問題で、米上院情報委員会のファインスタイン委員長は28日、オバマ大統領は同盟国首脳の通信記録収集について知らされていなかったと発表した。
ファイスタイン委員長によると、米政府はこうした情報収集活動を打ち切ると表明したという。同委員長のコメントは、NSAの監視活動に関する一連の報道を追認した格好となる。
クラッパー米国家情報長官は29日、下院情報特別委員会で監視活動について証言する予定。
この問題についてある米政府高官は28日、CNNに対し、オバマ大統領は最近まで、NSAが同盟国を含む他国の首脳を監視していたことを知らなったと語った。
一方で、別の複数の当局者は、大統領または少なくともホワイトハウスの側近はその事実を知っていたと話している。
カーニー米大統領報道官は同日、個別の報道についてのコメントは避けながら、12月までに監視活動の見直しを完了するなどオバマ大統領が指示した対応策について説明。
監視活動の根拠となった愛国者法の改正も含め、「透明性を高めるために数多くの措置を講じている」と強調した。
さらに、具体的な報道内容には触れないまま、「各国の首脳や政府関係者に関する問題も含め、情報収集に関する具体的な事項について見直しを進める」とした。
メルケル首相の通信監視については、現在行われていないし今後も行わないと説明する一方で、過去の監視活動については言及しなかった。
オバマ大統領は知らなかった? 米盗聴問題