iPad Airと新型miniをレビュー、手に取った印象は?

CNN記者がさっそく触ってみた

2013.10.23 Wed posted at 19:17 JST

(CNN) 米アップルが22日のイベントで発表した第5世代のタブレット端末「iPad Air(アイパッド・エア)」と小型版「iPad mini(ミニ)」の新モデルを、CNN記者が会場で実際に手に取ってみた。

新鮮な驚きはなかったが、これまでの流れに沿って薄型、軽量化が進み、高速化も実現しているようだ。

iPad Air

新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone5s」に導入された指紋認証システムのような新機能は特に見当たらず、最も意外性があったのはiPad Airというネーミングだった。

iPadシリーズの名称はこれまで、初代からiPad2とナンバーが付き始めたものの第3世代以降はiPadのままとなり、方針が定まらない印象があった。

そのiPad2は399ドル(約3万9000円)と、わずかに値下げして販売を続ける。アンドロイドやウィンドウズのタブレット端末と同じ価格帯で有力な選択肢になるかもしれない。

iPad Airが現行モデルに比べて薄く、軽くなったのは確かだ。イベントで上映された映像でも、現行モデルより20%薄い7.5ミリと、鉛筆に隠れるほどになったことが強調された。

重量もWiFiモデルで469グラム、LTE対応モデルで478グラムに抑えてある。

あいにく従来のiPadを持っていなかったので、重さの違いを実感することはできなかった。そのうえ先にiPad miniを手に取ってあの軽さを味わってしまったために、感動が薄れたのかもしれない。

iPhone5sと同じ64ビットのA7プロセッサーが搭載され、フィル・シラー副社長によると処理速度は2倍になった。グラフィック性能が大幅にアップしたとされるが、混雑した会場での数分間でスピード感の違いを確認するのは難しかった。

そもそもアップル製品の新モデルが従来機より速くなったと感じられる要因のひとつとして、手持ちの従来機がアプリや動画、基本ソフト(OS)のアップデートなどで遅くなっていることも考慮する必要があり、単純に比較することはできない。

iPad miniのRetinaディスプレーモデル

iPad miniは昨年の発売以来、初のリニューアル。外見は初代機とまったく同じだが、ディスプレーの解像度が163ppiから326ppiへ、飛躍的に向上した。

初代機はプロセッサーもiPadより1世代遅れていたが、新モデルではiPad Airと同じA7チップを採用。Retinaディスプレーと合わせ、iPadと肩を並べる性能を実現した。

小型タブレット端末の分野は競争が激しく、グーグルの「ネクサス7」やサムスン電子の「ギャラクシー」、アマゾンの「キンドル・ファイアHDX」といったヒット商品がしのぎを削る。

iPad miniよりずっと安価な商品もあるが、アップル製品は手に取るだけで、しっかりとした上質な作りがセールスポイントだと確認できる。

新モデルに欠けているもの

最近の新製品は各社こぞって小型化や高速化をうたっている。価格を下げる作戦に出るメーカーもあるが、アップルは高級路線で落ち着いているようだ。

バッテリーの持続時間が勝負の鍵を握るか

ただひとつ、タブレット端末メーカーがそろって行き詰まりを示している重要ポイントは、バッテリーの持続時間だろう。

現状では各社とも、半日の壁を破れずにいる。プロセッサーの性能を上げるとバッテリー消費も増えてしまうため、iPad Airと新型miniはいずれも、センサーを制御する「M7コプロセッサ」を搭載してA7チップの負担を減らすことでバッテリーを節約している。

アップルからこのところ、マニアを喜ばせる派手な新製品や秘密のサプライズが飛び出さないのは、手堅い経営判断の結果といえるだろう。

専門家によれば、タブレット端末市場では現在、買い替えによる売り上げが新規購入をしのぐ伸びを示している。各メーカーは、すでに自社製品を持っている顧客が買い替えで他社へ逃げないよう引き止める必要がある。

小型化、高速化を巡る小競り合いから抜け出して勝者となるのは、バッテリーの問題を制する者ではないだろうか。

アップルが「iPad Air」発表

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