食品盗んだシングルマザーに警官が思わぬ対応 米フロリダ州

警官の対応に「心から感謝している」と語る母親(右)

2013.10.23 Wed posted at 15:42 JST

(CNN) スーパーマーケットから大量の食品を盗もうとして警察に突き出されたシングルマザーが、刑務所行きになる代わりに、応対した警察官から思わぬ待遇を受けた。

フロリダ州マイアミデード郡の警察によると、母親は9月下旬、スーパーマーケットで300ドル(約3万円)相当の食品をカートに積み、代金を払わないまま店を出た。CNN系列局のWSVNによると、母親は3人の子どもを育てるシングルマザー。子どもたちの食べ物を買うお金がなくなり、困り果てていたという。

警察官のビッキ・トーマスさんに事情を聴かれた母親は、子どもたちがお腹をすかせていると答えた。調べたところ、過去に大きな犯罪歴もなかったことから拘束はせず、微罪で処理して出廷通知を渡した。

トーマスさんはさらに、自宅に食べ物があるかどうかを尋ね、母親が「何もない」と答えると、フードバンクや教会など、食事の配給が受けられる場所を教えた。続いてスーパーマーケットに戻り、母親のために100ドル分の食品を買ったという。

勤続23年のベテラン警察官ビッキ・トーマスさん

「食品を買ってあげようと決めたのは、逮捕したところで、お腹を空かせた子どもを抱える彼女の問題は何も解決しないから」「これまでも同じようなことをしてきたし、同僚も同じことをしている」とトーマスさん。

「子どもたちが夢中で袋をかき回す姿は、まるでクリスマスのようだった」「私にとって100ドルの価値は十分にあった」と話す。

母親に対して唯一求めたのは、「自分で生計が立てられるようになったら、ほかの人を助けてあげてほしい」という条件だった。「彼女はそうすると言ってくれた」とトーマスさんは話している。

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