(CNN) チュニジアのサハラ砂漠の果てにある、砂に埋もれかけた集落跡。黄色い砂がどこまでも広がる光景はまるで、はるか彼方の銀河にある別の惑星のようだ。映画「スター・ウォーズ」シリーズを手がけたジョージ・ルーカス監督は、この地をロケ地の1つに選んだ。
同国南部の町トズールの一画はこうして、後にダース・ベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーが生まれた惑星「タトゥイーン」に生まれ変わった。撮影が終了した後もチュニジア政府の要請でセットが残され、約1万平方メートルの敷地に20棟の建物が並ぶ。
ジェダイの騎士のマントやライトセイバーなどの展示もあり、ホテルとのパッケージツアーで欧州からの観光客を中心に、毎日大勢のファンが同地を訪れる。
しかしこの街に四方から砂丘が迫り、セットは砂漠にのみ込まれる危機に瀕(ひん)しているという。
砂丘の動きを調べている調査団によると、砂丘は1日4センチのペースで動いており、セットの一部は既に砂に覆われ始めている。ロケ地全体が砂に埋もれて消滅するのは時間の問題だという。
2011年にベンアリ政権が崩壊した後も経済再建が進まないチュニジアにとって、観光客の減少は大きな打撃になりかねない。
映画の撮影中、ルーカス監督の運転手を務めた元レーサーのタハール・カルヤさんは、「チュニジアはとても美しく安全な国。ぜひチュニジアに来てほしい」とアピールしている。
スター・ウォーズのロケ地を取材