ユーザーの顔を広告に使用、グーグルの「新機能」防止策は?

米グーグルがユーザーの顔写真などの広告への利用を開始する=Google提供

2013.10.14 Mon posted at 14:37 JST

(CNN) 例えば新しい靴下を買おうとインターネットをグーグルで検索したとする。検索結果ページに表示された広告には靴下の宣伝に続き、自分の友人の顔写真と、『履き心地のいい靴下がお買い得。色も豊富』というコメントが――。検索大手の米グーグルは、そんな具合に友人の個人的なコメントを利用して、ユーザーに広告のクリックを促したい考えだ。

同社は11月11日から、交流サービス「グーグルプラス」に登録されたユーザーの顔写真や氏名、コメントの広告への利用を開始する。広告に表示されるのは、グーグルプラスのほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」やコンテンツ配信サービス「グーグルプレイ」など、同社の関連サービスに投稿した内容。同社は11日付で利用規約を改訂し、「共有おすすめ情報」の許容に関する文言を付け加えた。

ユーザーの顔写真やコメントを使った広告が表示されるのは、グーグルの検索結果にとどまらない。同社は広告ビジネスも手広く展開しており、そのネットワークに参加している200万以上のサイトに表示される可能性がある。

グーグルは着々と、あらゆる人気サービスをグーグルプラスのサービスと連携させてきた。このため、自分はグーグルプラスのプロフィルを持っていないつもりでも、同社の別のサービスを利用していれば、プロフィルが存在している公算は大きい。

グーグルプラスのレビューは既に、同社のさまざまな製品に利用されている。例えば地図サービスの「グーグルマップ」は、グーグルプラスのユーザーの評価に基づいて飲食店を星の数でランク付けしている。グーグルプレイで買ったアルバムの論評を投稿すれば、グーグルプラスの共有おすすめ情報として使われる状態になる。

ただ、もし自分の顔写真などが広告に使われるのを望まない場合、「共有おすすめ情報の設定」というグーグルプラスのアカウント設定ページから設定を変更できる。これで自分の顔写真などは表示されなくなるが、気に入ったコンテンツを共有するための「+1」ボタンをクリックすれば、その情報は引き続き友人との間で共有される。

もし一切何も宣伝に利用されたくない場合、+1ボタンをクリックしたり、グーグルのサービスやグーグルプレイにコメントを投稿したりしないことだ。

ユーザーの写真などを広告に利用する機能にはほかの交流サイトも目を付け始めている。例えばフェイスブックで特定企業のページに「いいね」を付けたり好意的なコメントを投稿したりすると、投稿した内容がその企業の広告に使われることがある。

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それを防ぐためには、特定の企業やブランドに「いいね」を付けたりしないことだ。グーグルと違ってフェイスブックには、広告利用を無効にできる選択肢が存在しない。

レビューを積極活用しているユーザーには、特定のブランドを宣伝したり肯定的なコメントを共有したりする機能は歓迎されるかもしれない。

一方で、否定的なコメントも友人や家族にとって有用な情報になり得るが、そうした情報は広告には表示されない。今のところグーグルプラスの「-1」ボタンやフェイスブックの「嫌い」ボタンは存在していない。

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