ジョージア州サンディスプリングス(CNN) アップル社の「iPhone(アイフォーン)4S」の音声機能「Siri」の声を担当していたと明らかにしたジョージア州アトランタ郊外に住む女性が、公表までの経緯を語った。
スーザン・ベネットさんは1970年代にたまたま音声関連の仕事を始めたという。現在ベネットさんの声は、CM、電話システム、GPS装置、デルタ航空ターミナルの音声ガイドなどに採用されている。仕事の性質上、これまでベネットさんの名前が表に出ることはなかった。
だが最近になってSiriを巡る状況が変わってきた。アップルは最新OS(基本ソフト)「iOS7」のSiriにベネットさん以外の人物の声を使用し、「ベネットさんの時代」が終わりに近付きつつあった。また同時期にITニュースサイトのザ・バージが掲載した動画から、Siriの正体は人気ナレーターのアリソン・ダフティさんだという噂が広まり、本人が否定する騒ぎもあった。
当のベネットさんは騒動を笑いながら見ていた。以前から息子や夫など多くの人から名乗り出るように促されていたが、有名になることや法的な問題を懸念して公表をためらっていた。
だが、英国やオーストラリアのSiriの声の担当者はすでに名乗り出ていた。米国でSiriの正体を探る騒ぎが大きくなった今、自分も名乗り出るべきだと考えたという。
CNNがベネットさんを見つけたのは、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に関する特別企画の取材を進める中でのことだった。CNNのジェシカ・ラビッツ記者は、デルタ航空のターミナルの音声を担当していたベネットさんに電話でインタビューを行っていた。
記者がベネットさんの職歴を聞くと、ベネットさんは双方向音声応答(IVR)の仕事を数多くこなしてきたと語った。IVRとはどのようなものかと記者が尋ねると、「企業の電話システムでよく耳にするもの」とベネットさんは答えた。
そこで記者は、ふとSiriの声を思い出し、「もしかして、Siriはあなたですか」と尋ねた。すると、ベネットさんは動揺した様子で、否定も肯定もしなかったので、記者はそのことは公言しないと約束した。インタビューを行ったのは数か月前だが、2週間ほど前、動画をめぐる騒動の後、ベネットさんから記者に連絡が入った。ベネットさんは記者に、すべてを話し、事実をはっきりさせると語った。
ベネットさんは、2011年10月4日に発表された米国版「iPhone4S」のSiriの声の担当者とされる。アップル社がこのことを認めるとは考えにくいが、べセットさん本人は自分の声だとしている。また、音声の専門家もベネットさんの声だと述べている。
iPhoneのSiriの声は私、米女性明かす