(CNN) 学校や大学などで銃乱射事件が後を絶たない米国で、教職員を対象に、銃を持った侵入者の撃退法を学ぶ講習が行われている。
フロリダ州の小学校で行われた無料講習会。廊下に空の薬きょうの金属音が響き渡る。「この音を脳に焼き付けておくこと」と語るのは講師のザック・ハドソンさん。「毎年必ず行われている火災避難訓練も大切だが、子どもたちを死なせているのは火災ではなく、銃撃だ。それが現実だ」と話し、教職員にこうした講習を義務付けるべきだと説く。
4時間の講習で最も重点を置くのは、子どもたちを守るために犯人と戦って武器を奪う方法だ。まず受講生に模擬銃の銃口を突きつけるところから始まり、銃身をつかんで銃口をそらし、スライド部分を押さえて発砲できないようにするやり方を学ぶ。
教員歴25年のマーシャ・テイラーさんは、「子どもたちを守るためにこのような講習を受けなければならないのは、とても悲しいこと」と嘆く。
インストラクターが持つ防具を目がけて両手両足とひじ、ひざで力任せに殴る蹴るの攻撃を加える実践もある。ホチキスなどの文具も武器として使い、はさみがあれば犯人の目を狙えと教えられる。「とにかく犯人を攻撃する心構えを持つことだ」とハドソンさん。
学校の廊下で物陰に身を隠しながら逃げる訓練に続いて、銃を持って教室に侵入してきた犯人に死角から飛びかかって取り押さえる訓練で講習は終わる。
「生徒に素晴らしい教育を受けさせるよりもまず、生徒を守る必要がある」とテイラーさんは気を引き締めていた。
教職員に銃撃犯撃退訓練 米国