オバマ大統領、外交解決検討へ 軍事介入の可能性も維持

外交を通じた問題解決を目指す姿勢を示したオバマ大統領

2013.09.11 Wed posted at 12:26 JST

ワシントン(CNN) 緊迫するシリア情勢をめぐり、オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)のテレビ演説で外交解決を検討する構えを示す一方、シリアへの圧力を維持するために軍事介入の可能性を残しておくことが必要だと強調した。

オバマ大統領は15分間の演説で、シリアのアサド政権が先月21日にダマスカス近郊で化学兵器を使用したことは明らかな国際法違反であり、米国の安全保障を脅かす問題だと主張した。

10日の演説は当初、大統領が軍事介入の必然性を改めて訴え、議会の承認と国民の理解を求める「最後の一押し」になるとみられていた。

しかしロシアのラブロフ外相が9日、軍事介入を回避する道として、シリアの化学兵器を国際管理下に置く案を提示。シリアのムアレム外相もこれに全面的に協力すると表明し、状況が大きく変化した。

米政権が一部議員にシリアでの化学兵器使用の現場映像とする動画を提示

オバマ大統領はロシアの提案を「有望な兆候になり得る」と評価。ただし成功するかどうかを見極めるのは時期尚早との見方を示し、議会には軍事介入を承認するかどうかの採決を延期するよう求めた。

大統領は一方で、米国が軍事介入に踏み切る構えを示したからこそ、これが圧力となってロシア案が浮上したとの見方を示した。

さらに外交努力が失敗した場合に備え、米軍に準備態勢を維持するよう指示したことを明らかにした。

ロシアは新たな提案に基づき、国連安全保障理事会の緊急会合を10日に開催するよう要請。フランスはこれを受け、シリアに化学兵器の国際管理を求める安保理決議案を提出すると表明した。

ところがロシアが直前になって一転、会合の中止を求めたことから、「提案は軍事介入を遅らせるための時間稼ぎにすぎないのではないか」との声も上がっている。

オバマ大統領、シリア情勢について演説

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。