米ロ首脳、シリア問題で会談も両者の溝埋まらず

オバマ米大統領

2013.09.07 Sat posted at 11:58 JST

(CNN) オバマ米大統領は6日、主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためロシアを訪れたロシアで、プーチン露大統領とシリア問題について約20分に渡り話し合った。両大統領は「建設的な」会談だったと述べたが、両者の溝は埋まらなかった。

オバマ氏は会談後の会見で「(プーチン氏と)率直な意見交換ができた」と述べたが、オバマ氏が求めるシリアへの武力行使をプーチン氏が支持する可能性は低いことを認めた。一方、プーチン氏も合意には至らなかったが、「互いの意見に耳を傾けた」と語った。

ただ両氏は、シリア問題の政治的解決に向け今後も協力していくことで合意した。

オバマ氏とプーチン氏は、シリア政府が8月に国民に対し化学兵器を使用したとされる疑惑をめぐり、シリア政府に対して武力行使を行うべきか否かで見解が分かれている。

オバマ氏が米国内外で武力行使への支持を訴える一方、アサド政権と同盟関係にあるプーチン氏は、反体制派が彼らを支持する国々からの支援を得るために化学兵器を使用した、とのシリア政府の主張を繰り返し、引き続きシリアに武器の提供や人道支援を続ける意向を示した。

6日のG20閉幕後、日米など11カ国は「(示された)証拠から、シリア政府に化学兵器による攻撃の責任があるのは明らか」との共同声明を発表。

ロシアのプーチン大統領

オバマ大統領は、G20会議に出席した首脳の大半は、先月ダマスカス郊外で行われた化学兵器攻撃の責任がアサド政権にあるとの結論に満足しているが、シリアへの武力行使について国連安保理の承認を得る必要があるか否かについて見解が分かれていると指摘した。

その上でオバマ氏は、ロシアが決議を阻止している安保理は「機能不全」に陥っているとし、各国は安保理決議なしに武力行使を行うべきだと訴えた。

そんな中、ある米政府高官はCNNのインタビューで、仮に米国がシリアに対し軍事攻撃を行った場合、イランがバグダッドにある米国大使館に報復攻撃を行う可能性があることを示唆する情報を入手したことを明らかにした。

米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、シリア政府の化学兵器使用疑惑をめぐり米国がシリア軍を攻撃した場合、バグダッド市内の米国大使館など米国の施設を攻撃するようイランからイラク国内の過激派に命令が下され、米国がその命令を傍受したと報じた。米政府高官の発言はこの報道を受けたものだ。

米国務省はこの報道についてコメントを控えたが、イラク国内の米外交官の安全について特に対策は講じていないとしている。

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