シリア攻撃、米上院委が承認 地上部隊は派遣せず

米上院外交委員会がシリアへの軍事攻撃認める決議案を可決

2013.09.05 Thu posted at 10:40 JST

(CNN) 米上院外交委員会は4日、シリアに対する限定的な軍事攻撃を認める決議案を10対7の賛成多数で可決した。一方、オバマ米大統領は訪問先のスウェーデンで、シリアの化学兵器使用に関する「レッドライン(越えてはならない一線)」は世界が定めたものだと訴えた。

上院外交委員会の決議案はシリアでの武力行使に60日の期限を設け、さらに30日の延長を認める内容。地上部隊は派遣しないと明言した。

ホワイトハウスは歓迎の談話を発表し、「決議案で承認された軍事行動は、アサド政権の化学兵器使用能力をそぎ、今後の使用を阻止することによって、米国の国家安全保障上の利益を守るものとなる」と述べるとともに、「シリアでの政権移行を加速させるため、反体制派支援のためのより広範な戦略を追求する」とした。

決議案は来週には上院で審議される。与党民主党が過半数を握る上院は通過する見通しだが、野党共和党が多数を制する下院では採決の行方が見通せない状況だ。

一方、オバマ米大統領はロシアでの20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席に先立ち訪問したスウェーデンで記者団に対し、「レッドラインは私が設定したものではなく、世界が設定したものだ」と強調した。

オバマ大統領はさらに、たとえ米議会で武力行使承認の決議が否決されたとしても、自分には攻撃を命じる権限があると主張。国際社会が法や秩序を維持できなくなれば、「そうした恐ろしい犯罪にさらされている人たちだけでなく、全ての人類にとっての危険が増大する」と訴えた。

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