英議会、対シリア軍事介入認めず 米単独で行動も

英下院がシリアに対する軍事行動の提案動議を反対多数で否決

2013.08.30 Fri posted at 09:56 JST

(CNN) シリアの化学兵器使用疑惑を巡り、英下院は29日、シリアに対する軍事行動の提案動議を反対多数で否決した。

これを受けて米政府高官は、米国が単独で行動を取らなければならない可能性も出てきたと語った。

キャメロン英首相はシリア政府が化学兵器を使った伝えられたことに対し、断固たる対応を促す動議を提出。しかし英下院は反対285、賛成272の反対多数でこの動議を退けた。

キャメロン首相はこれを受け、「私は化学兵器の使用に対する断固たる対応が必要だと確信している。しかし下院の意思を尊重すべきだとも信じる」と述べ、採決は英軍の行動を望まない国民の意思を反映したものだと指摘。「政府はそれに従って行動する」と言明した。

米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は29日夕に談話を発表し、米政府は英国との協議を続けるとしながらも、「オバマ大統領は、米国にとって最善の利益は何かという判断に従って決断することになる」と述べた。

匿名で取材に応じた米政府高官は、英議会での動議否決を受けて米国が単独行動を取る「可能性」も浮上したと述べ、「(英議会の)プロセスは尊重する。だが我々は下さなければならない決断を下す」と語った。

一方、国連ではシリアの友好国ロシアの呼びかけで安全保障理事会の非公開会合が開かれ、深刻化するシリア情勢への対応について協議した。しかし西側の外交関係者によると、合意や決議の採択には至らなかった。

現地入りして調査を行っている国連調査団は31日にシリアを出国し、潘基文(パンギムン)事務総長に調査結果を報告する見通し。潘事務総長は直ちに安保理への報告を行うはずだとこの外交関係者は話している。

英議会、対シリア軍事介入認めず

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