(CNN) 米交流サイト大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、インターネットにまだ接続できていない世界の50億人を結び付けることを目指す世界協力プロジェクト「internet.org」を発表した。
ザッカーバーグ氏はこのほどCNNの独占インタビューに応じ、同プロジェクトについて、自分たちの世代が抱える「最大級の問題」に対応できると力説。投資家らの批判を浴びたフェイスブックの株式上場や、米国の移民政策改革にかける熱意についても率直に語った。
internet.orgについてザッカーバーグ氏は、米国のユーザーは多くが交流のためにインターネットを使っているのに対し、例えばインドやアフリカといった途上国の人々は、インターネットを通じて「どんな種類の政府を望むかを決めたり、初めて医療に接したり」できるようになると指摘。
そうした社会にインターネット接続を提供すれば、教育や雇用の機会も提供できると訴えた。
そのために、エリクソン、ノキア、クアルコム、サムスン電子といったネットや携帯電話の世界大手と手を組んで、まだインターネット接続が利用できない国や、ネット接続のためのインフラや機器が整わない国を結び付けるプロジェクトに乗り出したという。
同プロジェクトでは、手ごろな料金のインターネット接続の提供や、情報利用の効率化、企業による接続提供の推進などを後押しする。
競合企業と手を組んだ経緯については、「1つの企業や1国の政府だけではこの問題は解決できない」と強調し、中にはパートナー関係の確立に苦労した相手もあると打ち明けた。
フェイスブックの狙いは利用者の増加と収益拡大にあるのではないかとする見方については、「これは直近の利益を上げること以上に大きな我々の使命だ」否定する。
「世界経済の現実として、もし私たちが金儲けだけに専念したいと思えば、既にフェイスブックを利用している1億人は、残りの50億~60億人を合わせたよりもずっと金持ちだ。これは公平とはいえないが、現実だ。しかし私たちは、誰もがインターネット接続に値すると信じて、それに大きなエネルギーを注いでいる」と力を込めた。
過去にはフェイスブックの上場をめぐってザッカーバーグ氏が批判の矢面に立たされる場面もあった。
それをどう切り抜けたかとの質問に対する答えは「私たちはいつも、長期的に素晴らしいものを作り出すことに専念してきた」とした。
「障害物に突き当たったときは、それが特に重要だ」と同氏は笑い、「自分が本来の自分より優れていると人々に思われる時もあれば、本来の自分より劣っていると思われる時もある」と語る。
最近では米国の包括的な移民改革を訴える活動にも力を入れる。
internet.orgを通じて残る50億人を結び付け、1100万人の不法移民を助ければ、「この国はもっと良くなって、強くなる」とザッカーバーグ氏は訴えている。
ザッカーバーグCEO、世界結ぶプロジェクトへの熱意を語る