目の検査でアルツハイマーを早期発見、米国で研究進む

目の検査からアルツハイマーの早期発見を目指す研究が進んでいる

2013.08.19 Mon posted at 18:54 JST

(CNN) 米国で65歳以上の高齢者の8人に1人が発症しているアルツハイマー病。簡単な目の検査によって、その症状が現れる前の早期発見を目指す研究が進められている。

アルツハイマーは症状が出る10~15年前から脳内の変化が始まり、記憶に問題が生じるころには脳細胞の40~50%に影響が及んでいることが、これまでの研究から判明している。

患者の脳内にはベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質が蓄積することも分かっているが、現時点でそうした物質の存在をはっきりと確認できる手段は存在しない。

しかしロサンゼルスにあるシダーズ・サイナイ病院の研究チームは、脳内のベータアミロイドの量が、網膜内のベータアミロイドの量に比例することを発見。身体への負担を伴わない網膜の検査によって、ベータアミロイドの蓄積量を調べる方法を開発した。

現在、臨床試験を行って、まだ症状が出ていない患者のアルツハイマーを発見できるかどうか調べている。

同病院の専門家は「もし50歳でベータアミロイドの蓄積を突き止めて、蓄積を食い止めることができれば、効果的な治療ができる確率は高まる」と話す。

一方、別の民間企業コグノプティックス社は目の水晶体に注目し、水晶体のアミロイドを調べる検査を開発した。

「(水晶体の方が)網膜よりも感度や精度はいい」と同社経営者は話す。現在、40人を対象に臨床試験を実施中で、もし効果が実証できれば、断層撮影検査の約10分の1のコストで検査ができるようになるという。

こうした検査でアルツハイマーを予知できるようになるかどうかはまだ未知数だ。

しかし米アルツハイマー協会の専門家は、「高齢になるほど眼科へ行く頻度は増える傾向がある。脳内での症状の進行を簡単な検査でチェックできれば大きな助けになる」と期待を寄せている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。