マラリア予防ワクチンで「画期的成果」、米衛生研など

米研究チームがマラリア予防ワクチンで「画期的成果」をあげたと発表=CDC提供

2013.08.09 Fri posted at 10:42 JST

(CNN) 米国立衛生研究所(NIH)などの研究チームは8日、蚊が媒介するマラリア予防ワクチンの臨床試験で画期的な成果が出たと発表した。

臨床試験では被験者数十人に、2011年10月から12年10月にかけてワクチンを数回にわたって静脈内投与した。その結果、ワクチンを5回投与した6人は全員が、マラリアの原因となる寄生原虫の熱帯熱マラリア原虫にさらされても発症しなかったという。研究チームはこの結果について、マラリアワクチンの臨床試験として初めて100%の確率で感染を予防することに成功したとしている。

一方、ワクチン投与が4回だった9人の中では3人が発症した。ワクチンを投与しなかった被験者は12人中11人が発症したという。

ワクチンは米製薬会社のサナリアが開発したもので、熱帯熱マラリア原虫に放射線を照射し、凍結させて製造した。臨床試験はNIHや米陸軍、海軍などの研究機関が実施。特許はサナリアが保有している。

マラリアは世界で年間2億人以上が感染しているという

今後さらに対象を広げて臨床試験を実施する必要はあるが、今回の結果は非常に有望だと研究チームは解説する。この研究結果は8日の科学誌サイエンスに掲載された。

マラリアは世界で年間2億人以上が感染し、2010年だけで約66万人が命を落としている。

サナリアなどは、3~4年以内にワクチンの効果を科学的に実証し、認可を得て流通準備が整うとの見通しを示している。一方で、今回の治験にかかわっていない別の専門家は、流通までには8~10年はかかると予想した。

マラリア予防ワクチンで「画期的成果」

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