コスタリカ、保護政策で国立動物園を閉鎖へ

2013.08.08 Thu posted at 18:09 JST

(CNN) 中米のコスタリカ政府は8日までに、動物保護を理由に国内に2カ所ある国立動物園を来年閉鎖する計画を明らかにした。

計画によると、首都サンホセにあるシモン・ボリバル動物園は植物園として生まれ変わる。同園には現在、数百匹・頭の動物が飼育されている。同市西部にあるサンタ・アナ動物保護センターは公園に改修される。

地元のCNN系列局によると、これら2カ所で飼われる動物は野生に戻すか、自然保護区に預ける予定。

コスタリカは生物の多様性を尊重する国として有名で、10年以上前には芸を見せる動物がいるサーカスの公演を禁止。スポーツの狩猟も認めていない。

国立動物園廃止を発表したレネ・カストロ環境相は、同国は今後、檻(おり)を不要とする新たな動物保護政策を進めると宣言。地元紙ナシオンに対し、愛情を持って大事に育てていたオウムが仲間の群れが近くを飛ぶのを見て去っていた子ども時代の思い出も披露し、今回の政策への理解を求めた。

同国の環境保護主義者は老朽化した檻や非衛生的な飼育条件などを理由に動物園に批判を加えてきた。動物園の動物を巡っては法廷論争にも発展している。

ただ、動物園関係者は環境保護主義者に反論し、動物を野生に戻したり、保護センターにあずけたりすることに反対ししている。ナシオン紙の取材に、負傷している動物もおり、治療しても飛べなかったり視力が弱っていたりする個体もいるとの獣医の言い分も紹介している。

この獣医は、自然の本能を既に喪失している動物もおり、飼育の中でこそ生き続けなければならない個体もいると主張している。

また、シモン・ボリバル動物園を閉鎖するには運営団体と交わした契約条件を変更する法律的な課題もある。契約では団体の運営は2024年まで認められている。契約延長の廃棄には特定の期間内での通知が必要だが、同国政府は昨年8月10日の期限日までにその意思を示していなかったという。

コスタリカ、国立動物園を閉鎖へ

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