(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「キュリオシティ」が、6日で火星着陸から1年を迎えた。5日夜には本体に搭載した楽器で、自分のために「ハッピーバースデー」を演奏したという。
キュリオシティは米国時間の2012年8月6日、火星への着陸に成功。直後に到着を知らせるかのように、自分の影を写した写真を送ってきた。
目の役割を果たすカメラを通じて人類未踏の地を見せてくれるキュリオシティを、NASAの担当者は親しみを込めて「she(彼女)」と呼ぶ。
25億ドル(約2400億円)をかけたミッションでは、かつて水が流れていたと考えられる「ゲイルクレーター」を探検し、生命が存在していた痕跡を探っている。
これまでの探査では火星で初めての掘削も実施。NASAはドリルに付いた砂ぼこりを分析した結果、かつて生命が存在できる環境が火星にあったことが確認されたと発表している。
これまでの1年間では火星の表面を約1.6キロ移動しながら190ギガビットの情報を収集し、画像3万6700枚、縮小画像3万5000枚を送ってきた。さらに7万5000回を超すレーザー照射を行い、岩盤2カ所の標本を採取して、土壌成分の分析に活用されている。
NASA担当者によると、キュリオシティの「保証期間」は2年間。それが設計上の耐用年数だという。しかしNASAが2004年に火星に送り込んだ探査機「スピリット」と「オポチュニティ」のうち、オポチュニティはまだ現役だ。スピリットは10年に通信が途絶えた。
キュリオシティは現在、高さ5000メートル級の「シャープ山」を目指している。この山の地層には、火星の地史が刻まれていると専門家は期待する。
キュリオシティの1年を振り返る