ウルグアイ・モンテビデオ(CNN) 南米ウルグアイの下院は7月31日、マリフアナを合法化する法案を可決した。上院での採決は今年10月の予定。
この法案が発効すれば、ウルグアイはマリフアナの生産、加工、流通や販売を合法化し、政府の専売品とする世界で最初の国となる。同国ではマリフアナ利用は既に合法化されているが、生産や販売などは対象外だった。
下院での採決では賛成票が法案可決に必要な50票を得た。反対は46票。法案によると、マリフアナは薬局で売られ、購入者の登録制度を設ける。買えるのは18歳以上。
ムヒカ大統領は法案支持の立場で、昨年のCNNスペイン語放送との会見では「麻薬密輸組織の市場を弱体化出来る。闇市場より低価格で売るつもりだ」などと述べていた。
マリフアナ合法化はムヒカ政権が昨年、議員に提案。マリフアナを気晴らしあるいは医療目的で吸引する人々が直面しかねない潜在的な危険性を減らす政府統制の市場を創設するのが目標と説明していた。
左派政党の連合組織も法案を支持しているが、保守派の反対派は合法化は中毒症を助長するなどとして反発している。南米の薬物政策改革を訴える団体幹部はウルグアイ下院の合法化可決を受け、従来の禁止、刑罰主義を転換させる対応と評価した。
ウルグアイでの違法な薬物利用ではマリフアナが最も多い。麻薬密売人らはマリフアナの闇市場を通して年間3000万~4000万ドルを稼いでいるとされる。
一部の南米諸国では近年、麻薬密輸組織絡みの暴力事件の増加を受けマリフアナ合法化の論議が高まっていた。メキシコのフォックス元大統領は合法化の意義を積極的に唱え、麻薬密輸組織との軍事対決は奏功しないが、合法化は犯罪人を制御して稼ぎを減らせる効果が生まれるなどと主張している。