反体制ブロガー、モスクワ市長選に復帰 「われわれが勝つ」

政府の汚職問題を追及していたアレクセイ・ナワリヌイ弁護士

2013.07.21 Sun posted at 13:25 JST

(CNN) ロシア政権の汚職をブログなどで追及し、先週禁錮5年の有罪判決を言い渡されたうえでいったん釈放されたアレクセイ・ナワリヌイ弁護士が20日、モスクワで9月の市長選へ向けた選挙戦に復帰した。

国営RIAノーボスチ通信によると、列車でモスクワ入りしたナワリヌイ弁護士は数百人の支持者や報道陣に迎えられ、「われわれは大きく強い力だ。それをわれわれ自身が自覚し始めたことを大変うれしく思う」と語り掛けた。19日に釈放された時点で市長選への出馬見送りを示唆したことについて、「皆さんへの信頼が不十分だったことを謝罪する」とも述べ、「われわれは勝つ」と勝利を誓った。

ナワリヌイ弁護士は与党「統一ロシア」を「詐欺師と泥棒たちの党」と非難し、プーチン政権を厳しく批判してきた。国営企業での汚職を指摘、証拠文書をブログに掲載するなどして注目を集め、米タイム誌が昨年選んだ「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。

9月8日に予定されるモスクワ市長選に立候補を届け出ていたが、ロシア西部キーロフ州の知事顧問を務めていた時期に木材の取引をめぐる不正で国営企業に約5000万円の損害を与えたとして起訴され、18日に禁錮5年の実刑判決を言い渡された。判決後ただちに収監されたが、翌日検察側の提案により、控訴審までいったん釈放されることが決まった。

ロシアで昨年行われたプーチン政権を批判するデモの様子

実刑判決をめぐっては、欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表が「でっち上げの裁判」と批判する声明を発表。ゴルバチョフ旧ソ連大統領も「残念ながらロシアの司法制度が独立していないことが確認された」と遺憾の意を示した。国際人権団体からも非難の声が集中していた。

ロシアの法律は犯罪者が選挙に立候補することを禁止しているため、選挙前に控訴審でナワリヌイ弁護士の有罪が確定した場合、立候補は取り消しになるとみられる。

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