賠償金総額は数億ドル単位か、アシアナ航空事故 米弁護士

賠償金が数億ドル単位になるとの見通しも

2013.07.14 Sun posted at 17:33 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米サンフランシスコ国際空港で今月6日起きた韓国アシアナ航空の着陸失敗、炎上事故で、航空事故の賠償問題の第一人者とされる米弁護士は14日までに、乗客に対する同航空の補償金総額は数億米ドル単位に達する可能性があるとの見解を示した。

米フィラデルフィアを拠点にするアーサー・ウォーク弁護士は、今回の事故に触れ100万ドル(約9900万円)以下の賠償請求があるとは予想されず、多くは数百万ドルを要求するだろうと指摘。

事故では乗客ら123人が無傷で難を逃れたが、職場復帰などが難しくなる心的外傷後ストレス障害(PTSD)を理由に100万ドル単位の補償金を求める可能性があるとしている。

同弁護士は、航空事故に伴うPTSD問題で和解を勝ち取ったのは、大手ユナイテッド航空が1989年に米アイオワ州で事故を起こした大手ユナイテッド航空の乗務員が最初だった。これ以降、航空事故の生存者に対しPTSDを配慮して賠償金を支払うのが普通の対応になったという。

機体の残がいを調べる当局者ら=米NTSB提供

ウォーク弁護士はただ、8日時点でアシアナ機事故の乗客や家族から賠償金問題などについての接触は受けていないと語った。

アシアナ機事故では、3人が死亡、182人が負傷した。米国で大手航空会社が死傷者が出る事故を起こしたのは過去約4年で初めて。

同弁護士は、犠牲者や負傷者の賠償金はより高額になると指摘。事故に遭遇後の給料の損失額、被った苦痛の代償、医療費などを換算して計算されると述べた。アシアナ航空は、事故発生時の乗務員の対応の是非などへの注目が長引くことを避けるため、賠償金支払いの責任問題は争わないだろうとも予想した。

また、事故機の777型機を製造した米ボーイング社やサンフランシスコ国際空港の運営団体などが、事故に絡む裁判闘争の被告となったとしても賠償金支払いを命じられる事態にはならないと見ている。

事故で死亡した中国人少女2人のうちの1人については、事故現場に駆け付けた緊急対応車両にはねられたことが判明し、死因を含めた追加捜査が進められている。ウォーク弁護士はこの事実が本当だとしても、死亡につながった法的責任を最初に問うのは空港や消防当局にではなく、航空会社側にあるとの解釈は変わらないとも述べた。

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