ワシントン(CNN) 軍が大統領を解任して実権を握ったエジプト情勢について、米オバマ政権幹部は8日もホワイトハウスで会議を開いて対応を協議した。米政府はこれまでエジプトの政変を「クーデター」と呼ぶことを避けており、慎重な対応姿勢を見せている。
ヘーゲル米国防長官は、エジプトのシシ国防相と再度の電話会談を行った。同国防相との会談は、軍が大統領を解任する前も含めて過去1週間で4度目になる。
一方、米軍のデンプシー統合参謀本部議長もエジプト軍のトップと2度にわたり電話会談した。
米政府はエジプトの政変を「軍事クーデター」と呼ぶことを一貫して避けてきた。これはカーター政権時代から続いてきたエジプトとの関係が、米国にとってどれほど重要かを物語る。
もしムルシ大統領の解任をクーデターと断言すれば、米国は法律に従って、10億ドルを超すエジプトへの軍事援助を打ち切らなければならなくなる。
イスラエルは、もしそうなった場合、エジプトとの和平条約が危うくなりかねないと危惧する。
国務省のサキ報道官は8日、クーデターかどうかを判断するに当たっては、多くのエジプト国民が今回の動きを支持しており、クーデターとはみなしていないことも考慮すると述べた。
カーニー米大統領報道官は8日の会見で、「(エジプトへの)援助について直ちに変更を行うのは、米国の利益にとって最善の策ではない」との見方を示した。
エジプト軍の動きはクーデターではないのかと再三にわたって質問されると、「早急な結論を出す必要はないと考えている」とかわし、法に照らして議会とも相談した上で、エジプトに対し民政復帰を急ぐよう働きかけると説明するにとどめた。