(CNN) 米国家安全保障局(NSA)の監視活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン容疑者が亡命申請を出した国のうち多くは、申請の検討には同容疑者が領土内に来ることが必要だとの立場を示した。インドなど3カ国は申請を拒絶すると明言し、同容疑者の亡命先の選択肢は狭まっている。
スノーデン容疑者は滞在先の香港からロシアへ渡り、現在モスクワ・シェレメチェボ国際空港の乗り継ぎエリアにとどまっている。米国は同容疑者をスパイ罪で訴追してパスポートを失効させ、ロシアに身柄引き渡しを求めている。
同容疑者はロシアにも亡命を申請していたが、プーチン大統領が「ロシアにとどまりたいなら米国に損害を与えようとする行為をやめるべきだ」と発言したことを受け、2日までに申請を撤回した。
米内部告発サイト「ウィキリークス」を通し、2日までに21カ国に申請を出したものの、そのうち11カ国は国境または大使館での申請以外は受け付けられないとしている。中国やフランス、スイスは亡命申請があったことも認めていない。インドやブラジル、ポーランドは申請があっても拒否すると明言した。
スノーデン容疑者が当初亡命を希望していたエクアドルのコレア大統領も、申請を検討するにはまず同容疑者が同国に来る必要があると述べ、同容疑者に安全な移動を保証するのはエクアドルでなくロシア側の責任だと主張している。
一方、南米ボリビアのモラレス大統領は訪問先ロシアのメディアとのインタビューで同容疑者の受け入れについて「もちろん受け入れる」と表明し、「米国のような国の振る舞いには懸念を抱いている」と述べた。
またロイター通信によると、南米ベネズエラのマドゥロ大統領は「彼がどんな罪を犯したのだ。爆弾を仕掛けてだれかを殺したというのか」「いや、戦争を防いで世界に対する不法行為をやめさせた。したがって世界は彼を守るべきだ」と主張した。
スノーデン容疑者の今後