iPadで遠隔操作できるスーパーヨット「アダストラ」 

長くとがった船首にカーブを描く翼が印象的=Orion Shuttleworth提供

2013.08.09 Fri posted at 09:30 JST

(CNN) 長くとがった船首にカーブを描く翼、水面の上に浮いて青く光る船腹。航海よりも空を飛ぶ方が似合いそうな未来型のスーパーヨット「アダストラ」は、タブレット端末「iPad(アイパッド)」で最大50メートル離れた場所から遠隔操作することもできる。

アダストラは全長42.5メートル、価格1500万ドル(約15億円)の豪華ヨット。宇宙船と超音速旅客機「コンコルド」を合わせたようなデザインが印象的だ。

超軽量ガラスやカーボン素材を使った重量52トンの船体のうち、水面下に潜る部分はわずか20%。船体表面もつなぎ目がなく、滑らかに仕上がっている。

そのため従来のヨットより抵抗が少なく、最高時速43キロですいすいと進む。消費燃料は同じ大きさの従来型と比べ、大幅に抑えられている。燃料補給なしで6400キロ、ロンドンからニューヨークまでの距離を航行することができるという。

横からみたアダストラ。全長42.5メートル=Orion Shuttleworth提供

船内には豪華な寝室5室とバスルームが4つ、ラウンジやプロ仕様のキッチンを備え、まるで超高級ホテルのようだ。後部デッキの屋外バーで、夕暮れの海を眺めながらカクテルを楽しむのもいい。

アダストラを所有するのは、香港で海運業を営む資産家のアント・マーデン氏。設計、建造には5年以上かかった。今年の「世界スーパーヨット賞」で最も革新的なデザインに贈られる賞を受賞し、さらに最近モナコで開催された「ショーボート・デザイン賞」でも3つの賞に輝いた。

設計者のジョン・シャトルワース氏はCNNとのインタビューで「保守的なスーパーヨット業界でこのように認められたことは、とても大きな意味を持つ」と語った。シャトルワース氏は当初、スーパーヨットを持つような富裕層は燃料を節約するという発想に関心を示さないのではないかと考えた。だが今後は、倫理的視点や環境保護の視点から燃料節減を重視する風潮が強まると、同氏は予測している。

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