エジプト各地でデモ、反大統領派と支持派衝突 死者3人

エジプト各地でデモが発生

2013.07.01 Mon posted at 09:59 JST

エジプト・カイロ(CNN) エジプトでムルシ大統領の就任から1年目を迎えた30日、各地で大統領反対派と支持派の衝突が発生し、当局によると少なくとも3人が死亡、174人が負傷した。

反大統領派はこの日、カイロ中心部のタハリール広場などに集まってムルシ大統領の辞任を要求するデモを展開。一方、支持派も大統領宮殿前などで集会を開き、一部で衝突が発生して首都カイロ南部で1人、中部のアシュートで2人が、いずれも銃で撃たれて死亡した。

抗議デモを呼びかけた勢力は、ムルシ大統領の辞任を求めて署名集めを展開してきた。ただ、反ムルシ勢力が要求する内容は必ずしも一致していない。デモには旧ムバラク政権の支持派や軍の介入を求める勢力、燃料不足や停電、景気後退、治安悪化などに不満を持つ市民も加わった。

デモの最中にタハリール広場上空を飛行した軍のヘリコプターは、拍手と歓声で迎えられた。

これに対してムルシ大統領支持派は、エジプトの問題を解決するためにはまだ時間が必要だと訴えている。

ムルシ大統領の反対派と支持派が衝突

国営アハラム通信によると、カイロのほかにスエズ、シャルキヤ、ガルビヤなどの各地でもデモが行われ、港湾都市アレクサンドリアでは交通がマヒ状態となった。

ムルシ大統領は、ムバラク政権崩壊後初の大統領選挙で選ばれ、1年前に就任した。しかし投資の撤退や観光客の減少で経済は悪化の一途をたどり、国内の治安も悪化。ムバラク大統領が軍事力を背景に法と秩序を維持していた時代を懐かしむ声も出ている。

政府系のアルアフバル紙は、「エジプトは噴火寸前」と伝えた。

エジプト各地でデモ

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