新疆ウイグル自治区で暴動、27人が死亡 中国メディア報道

2013.06.27 Thu posted at 16:50 JST

香港(CNN) 中国の国営メディアは27日までに、同国北西部の新疆ウイグル自治区ルクチュンで26日未明、暴動が発生、27人が死亡したと伝えた。

同自治区では過去に、イスラム系の地元民族ウイグル族と移住などが進む漢族との衝突がたびたび起きている。在外のウイグル族組織は今回の暴動について中国国営メディアの報道内容を疑問視した。

国営メディアは暴動の原因については触れていない。また、暴動に関与する民族にも言及していないが、在外のウイグル人組織「世界ウイグル会議」(WUC)は中国メディアによる「ナイフで武装した暴徒」との表現は通常、ウイグル人を指すと示唆した。

国営紙チャイナ・デーリーによると、死亡者は住民8人、警官や警備員計9人に暴動参加者10人。同紙は同自治区共産党委員会当局者の情報として、暴徒が警察署、地方政府の建物や建設現場を襲撃、ナイフで刺したり、警察車両に放火したりしたと報じた。

中国中央テレビは建物前面部が一部黒ずんでいる警察署前に焼け焦げた車両がある画像を放映した。

同自治区では、ウイグル族が漢族による差別行為や治安部隊による厳しい締め付けなどに反感を募らせているとされる。ルクチュンは自治区の区都ウルムチから南東へ約250キロ離れた遠隔地にある。

ドイツに拠点がある世界ウイグル会議は今回の騒乱について、独立した事実関係の確認が出来ないとして、国営メディアによる暴動報道の内容を疑問視した。情報収集に努めているが、ルクチュンが位置するトルファン地区の通信手段は切断されていると述べた。米国で活動するウイグル族組織は国際社会に対し国営メディアの報道の詳細をそのまま受け止めないよう呼び掛けた。

CNNによる同自治区政府当局者への電話連絡はつながっていない。中国外務省報道官は26日、関係部局に接触して情報収集に当たっていると述べた。

ウルムチでは2009年7月、ウイグル族と漢族が衝突し、約200人が死亡、1700人が負傷する最悪規模の騒乱が発生していた。治安部隊によるウイグル族に対する大規模鎮圧がきっかけだった。

また、今年4月には、同自治区カシュガルで衝突が発生、21人が死亡していた。自治区政府は「暴漢」による「テロ行為」が衝突の原因と主張していた。在外のウイグル族組織はこの見方に反論していた。

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