ワシントン(CNN) 米情報機関「国家安全保障局」(NSA)が電話の通話記録やインターネット上の個人情報を収集していた問題を巡り、NSAのキース・アレキサンダー長官(陸軍大将)は18日、米下院情報委員会の公聴会で、情報収集がテロ阻止に役立った具体例などを示し、活動の正当性を主張した。
アレキサンダー長官は連邦捜査局(FBI)や司法省、国家情報長官室の当局者らとともに証言に立ち、2001年の米同時多発テロ後に制定された愛国者法に基づく情報活動は、テロ計画を阻止するうえで不可欠な手段になっていると強調。米国人エドワード・スノーデン氏がこの活動を暴露したことで生じた国民の誤解を解くためとして、一部のテロ未遂事件の詳細を明かした。
それによると、同時テロ以降、情報収集活動で得た手掛かりがテロ阻止につながった例は、世界20カ国以上で50件余りに上る。例えば09年、パキスタンのテロ容疑者が米国内の人物と爆弾作製の方法を相談している電子メールを発見し、ニューヨークの地下鉄を標的としたテロを未然に防いだ。コロラド州デンバーに住むアフガニスタン出身の男が有罪を認め、現在収監中だという。
また、イエメンの過激派メンバーと米国内の人物との接触を監視した結果、ニューヨーク証券取引所を狙った爆弾テロ計画が初期段階で発覚したケースもある。
当局者らは今後さらにテロ未遂事件に関する情報の機密解除を進め、今週中にも議会に報告書を提出すると述べた。
当局者らはまた、情報収集活動は裁判所や議会による十分な監督の下で合法的に実施されていると説明した。
NSAは米国民の電話や電子メールの内容を「スイッチひとつで」知ることができるのかとの質問には、アレキサンダー長官が「そんなことはない」と言明。当局が自由に通話内容を聞いたりメールを読んだりできるような技術は存在しないと主張した。
極秘の情報収集活動が公になったことについて、長官は「米国と同盟国に取り返しのつかない大きな打撃を与えた」と述べ、スノーデン氏の行為を改めて非難した。ロジャーズ委員長も、スノーデン氏が暴露したのは活動の一部だけをとらえた不正確な情報だと批判した。
NSA長官、情報収集で阻止したテロの具体例示す