米国務省、買春など職員の不正行為を隠ぺいか

違法行為の隠ぺい疑惑に揺れる米国務省

2013.06.12 Wed posted at 12:44 JST

ワシントン(CNN) 米国務省の高官や同省外交保安局が、職員による犯罪行為などを隠ぺいしたり調査を妨害したりしていた疑いのあることが、同省監察総監室の内部メモから12日までに明らかになった。

CNNが入手した資料によると、ある現役の米国大使は、日常的に警護官の目を盗み、買春や未成年者とのわいせつな行為を行っていた疑惑が浮上。外交安全局員が調査を行おうとすると、ケネディ国務次官が正式な調査は行わないよう命じたとされる。

この大使の調査に詳しい情報筋によると、大使の警護官は監察官への報告の中で、大使が夜、警護官に知らせずに自宅を抜け出したため後を付けたところ、大使が違法行為で知られる公園に向かうのを目撃したと述べたという。ただ警護官は、大使が性行為を行っている現場は目撃していないとしている。

大使はワシントンで説明を求められた際、夫婦げんかの後、頭を冷やすために時折、公園に行っただけだと弁解したという。またケネディ次官も11日に声明を出し、調査への介入を否定した。同大使は、疑惑を「事実無根」として強く否定する声明を出した。

疑惑は他にもある。ベイルートに駐在する米国務省の職員は、大使館の警備員として勤務する外国人に性的虐待を行った疑いが持たれている。監察総監室によると、この職員は、イラクのバクダッドや、スーダンのハルツーム、リベリアのモンロビアに駐在中も同様の虐待を行っていた疑惑があるという。

クリントン前国務長官は「調査を知らなかった」と同氏広報担当が説明

また、ヒラリー・クリントン前国務長官の警護官が海外出張中に買春を行った疑いも指摘されている。調査を担当した監察官は「買春は習慣化していた」と結論付けたという。

イラクの米大使館近くに「地下麻薬組織」が存在し、外交保安局と契約する請負業者らに麻薬を提供していた疑惑が浮上。この件では調査のため現地に派遣された捜査官が調査の妨害に遭ったという。

これらの疑惑は、米CBSテレビが10日に報道した。報道を受け、米国務省のサキ報道官は10日に会見を開き、「一連の疑惑を重く受け止め、徹底した調査を行っている。CBSで報道されたすべての事例は、すでに調査済みか、現在調査中で、国務省は今後も対応を続ける」と述べた。

クリントン前国務長官の広報担当者は、「(クリントン氏は)疑惑や調査について、報道で初めて知った。報道されていること以外は何も分からない」とコメントした。

米国務省、職員の不正行為を隠ぺいか

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