欧州中部で洪水、チェコで7人死亡

エルベ川の洪水に対応する住民=ドイツ・ザクセン州ピルナ

2013.06.05 Wed posted at 11:36 JST

ドイツ・マイセン(CNN) ドイツやチェコ、オーストリアなど欧州中部の一帯が豪雨により河川が氾濫(はんらん)し、4日までにチェコで7人が死亡、各地で住民に避難命令が出されるなど被害が広がっている。

ドイツ南部バイエルン州とオーストリア、スイスおよびチェコ西部は1日から3日にかけて豪雨に見舞われ、オーストリアのザルツブルクでは2日間で1カ月の平均降雨量(155ミリ)に相当する雨が降った。

この豪雨でドイツ南部と東部の被害が拡大。ドナウ川が別の2つの川と合流するバイエルン州南部パッサウは500年ぶりの水位を記録して洪水となり、歴史的街並みが水に浸かった。

4日までにバイエルン州の洪水は引き始める一方で、ドナウ川下流の水位が上昇し、オーストリアのウィーンやスロバキアの首都ブラチスラバなどにも被害が及ぶ恐れがある。

エルベ川に面したドイツ・ザクセン州のマイセンも、3日から4日にかけて堤防が決壊し、洪水に見舞われた。住民には避難命令が出され、民家や事業所などは貴重品を持ち出したり浸水を食い止めるため土嚢(どのう)を積み上げたりする作業に追われている。

軍や国、地元自治体も住民の支援に乗り出したほか、メルケル首相は4日に現地を視察し、被災地に対する1億ユーロ(約131億円)の緊急援助を表明した。

洪水対応に軍も出動

洪水や河川氾濫の影響は、ドナウ川などの河川を利用する物資の輸送や農業、発電、観光など幅広い分野に及んでいる。

チェコでは西部のボヘミア地域に非常事態が宣言された。消防当局によると、洪水の影響で家屋が倒壊して2人が死亡したほか、倒木の下敷きになったり感電したりして、計7人が死亡した。

ボヘミア北部ではまだ危険な状況が続き、これまでに1万人が避難、停電も発生している。首都プラハでも、河川の増水を警戒して堤防を積み上げるなどの対策が講じられた。

交通機関にも影響が出ており、プラハの地下鉄は複数の駅を封鎖した。ただ、大きな被害を出した2002年の洪水を教訓として設置された堤防のおかげで、地下鉄が浸水するような事態には至っていないという。

プラハ動物園では、ブルタバ川に面した低地に飼育舎があったネコ科の大型動物やサル、ゴリラなど数百頭を、高台の施設に避難させた。

同動物園も2002年の洪水でゾウが死ぬなど大きな被害が出ていたが、今回は動物への被害は小さく済んだという。

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